命を救う猫カフェ 日本の動物愛護の現状を考える

猫カフェ「arigato」の開設者、藤村晃子さん

動物保護施設に入れられ、命の危機に瀕している猫を「保護猫」という。横浜・岸根公園の近くにある猫カフェ「arigato」は、譲渡型の保護猫と触れあえる数少ない場所の一つである。開設者の藤村晃子さんに、日本における動物愛護の現実と未来に向けた活動について話を聞いた。

arigatoは、保護猫と触れ合える場を設けているだけでなく、引き取った猫たちが健康な状態になるまで世話をし、希望する客に飼い主に譲渡している。その際には、飼育に必要な知識を伝え、飼い主の悩み相談も受けるなどアフターケアも行う。保護猫を飼いたいという人も、これから保護猫に興味を持つ人も、気軽に保護猫と触れ合えるようにとの運営意図があるという。

藤村さんは、動物愛護に関しては、海外を見習うべき部分が日本には多くあると話す。保護猫・保護犬がより身近な存在である海外では、動物を飼いたい時には保護施設から引き取るのが一般的だという。その上夏休みには、子どもたちが保護施設に行き保護猫や保護犬の世話をするという習慣があるため、小さい頃から犬猫の扱い方に慣れているのだ。

藤村さんは、海外のこのような点を取り入れ、子どもたちが幼少期から犬や猫の扱い方を学べるようになれば、大人になって世話の仕方が分からず飼育放棄してしまうことが減るだろうと考える。そのため、arigatoでは動物について学べる場所を提供しているという。

海外には、「アニマルポリス」という動物虐待を取り締まる組織が存在する国もある。動物虐待が疑われる通報が入れば駆けつけ、飼い主が動物を飼うのに適していないとみなすと、ペットを保護し、新しい飼い主を探す。しかし日本では、飼い主の所有権が強い効力を持っているので、そもそもペットを保護することができない。日本は、動物愛護における現状に対する理解が遅れていると言える。

昨年、13匹の猫を殺害した様子を撮影し、ネット上に投稿するというショッキングな事件があったように、日本においても残忍な動物虐待事件は発生している。一方で現在の日本では、人間の生活のために動物をモノのように扱うことや、動物を虐待することに対する法制度がまだ整っていない。

前述の事件に対して刑罰が軽すぎる、と強い危機感を感じた藤村さんは、現在新たに法律を作ることができないかと活動しているという。

彼女が望むのは、少しでも多くの動物の命を救うこと。「今の子どもが大人になったときに動物虐待のない、動物に優しい国になってほしい」。その強い想いが、彼女の活動の原動力となっている。

(井上真悠子・大廣さくら)


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