《日吉研究所 FILE No.2》渋谷編

日吉研究所|FILE NO.2

日吉駅から電車に揺られること約20分。辿り着いたのは、様々な店や人で賑わう渋谷駅だ。渋谷といえば、若者の街。そのイメージがここ数年で変化している。渋谷ヒカリエの建設は、「大人も楽しめる街」という渋谷イメージを開拓した。2020年の東京オリンピックに向けた再開発により、数年後にはまた新たな渋谷の顔を見ることができるだろう。

今回我々は、そんな変化を続ける渋谷に店を構えながらも、オープン以来変わらぬこだわりで客を惹きつける二軒のカフェに立ち寄った。

映画の世界を料理に――Tabela

まず向かったのは、渋谷駅から徒歩約10分のTabelaだ。映画館に併設されたカフェで、映画の鑑賞後に、内容や感想を共有することができる。店内では、 世界各国の多彩な料理や、上映中の配給作品に合わせたスペシャルメニューが提供されている。料理が出てこない映画の場合には、文化的・経済的背景を踏まえたものを、できる限り作るようにしているのだという。

映画館併設のカフェ「Tabela」

我々は、「モロッコ風野菜のクスクス」、「ファラフェル(ヒヨコ豆のコロッケ)ピタサンド」、そして「ジャマイカ風自家製ジンジャーエール」を注文。メニュー名からも国際色の豊かさが伝わってくる。

モロッコ風野菜のクスクス

クスクスとは、粟粒状のパスタで、トマトベースのスープを食べると口の中にエスニックな味が広がった。ピタサンドは、ヘルシーさが魅力で食感も楽しめる。ジンジャーエールは、自家製ならではの生姜の良い香りが食欲をそそる味だった。

藤野シェフは「映画に出てくる料理を忠実に再現しながら、日本人向けの味にするバランスが、難しくもあり、面白い」と話す。例えば、映画ガザの美容室」とコラボしたケーキでは、現代では主にパスタに用いられるセモリナ粉を使い、砂糖の量を半分に抑えて日本人好みの味に仕上げている。

落ち着いた雰囲気でありながらも、なぜかワクワクする内装。日常から抜け出したような気分にさせてくれる。たとえ、メニューや従業員が変わったとしても、このTabelaの雰囲気は、ずっと変わらない。 映画好きの人はもちろん、ランチ時にはOLやサラリーマンも多く訪れ、この雰囲気を楽しむそうだ。

コラボメニューは映画の上映に合わせて、その他のメニューも季節ごとに変えている。行く度に新しい味に出会えることだろう。 普段とは少し違う時間を過ごしてみたい方には、ぜひおすすめだ。

椅子にこだわるカフェ――seat mania

次に向かったお店は、渋谷駅から徒歩7分。都会の喧騒から外れて、一見スタジオのような内装で非日常空間を演出しているお店、seat maniaだ。

このカフェのコンセプトはデザイナーズチェアー。店内には、オーナーが自ら選んだ、世界中のデザイナーが手掛ける様々な椅子が並んでおり、実際にそのデザイン性や座り心地を体感することができる。

現在は約23種類の椅子が置かれており、時代と色味を揃えることにこだわっているそうだ。時代は20世紀半ばを中心に、色味は黒や白などシンプルさを重視している。また、壁や照明などその他のインテリアまでも、すべて椅子が映えるようにレイアウトされている。

なぜ一風変わったカフェが誕生したのか。それは、家具屋をやりたかったというデザイン学校出身のオーナーの夢と、カフェをやりたいという奥様の夢を同時に叶えるためだ。

料理は、ピザやハンバーグ、オムライスなど、いたってシンプルで誰でもおいしいと感じられるものが多い。

店内の様子

店内を見渡すと、プロジェクターやスピーカーなどが設置されている。他にも音楽好きだというオーナーが置いた、ギターやコントラバスといった楽器もある。店内は貸し切りも可能で、大学の追いコンなどに使用されることが多く、ミスター慶應コンテストの打ち上げにも使われたことがある。

昼と夜で違った顔を見せるseat mania。こぢんまりとしたおしゃれな空間で、大切な仲間との思い出をつくるのもよいだろう。


明るくキラキラした若者の街、渋谷。しかし少し足を伸ばせば、静かで落ち着いた大人な街も広がっている。あなたも日常の疲れを癒す休日に、渋谷の非日常を探しに行ってみてはいかがだろうか。


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