《ART COLUMN》映画『審判』 塾員・にわつとむが主演

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写真=提供

周囲に流され、運命を受け入れて生きるべきか。現状を疑い、反発することは罪なのか。

銀行員の主人公、木村陽介(にわつとむ)は30歳の誕生日の朝、罪状不明のまま「逮捕」を告げられる。初めは突然の事態に抵抗していたが、生きている中で、誰もが漠然と抱えている罪の意識から謎だらけの「裁判」に参加してしまう。次々と降りかかる苦難の中で、次第に現状に怒り続けることにも疲れていくと、「裁判」の過程で出会った4人の女性たちの誘惑に負けてしまう。その場の欲に流されてしまったことで、彼を取り巻く事態はますます悪くなっていく。

登場人物は皆、木村に対して「裁判所」に歯向かわないよう繰り返し忠告する。「出る杭は打たれる」とでもいうような周囲から圧は、現実世界で起きていることと同じかもしれない。自分の身に起きている事態を見て見ぬ振りした先に、何が起きてしまうのか。「原因があって、結果がある」というセリフに、自分たちの生き方も考えさせられる。

映画の基になっているのは、フランツ・カフカによる同名の小説。映画では現代の東京を舞台にしているが、そのストーリーは決して色あせることなく心に刺さる。

* * * * *

上智大の教授も務めるイギリス生まれのジョン・ウィリアムズ監督による映画『審判』は6月30日から、東京・渋谷のユーロスペースほか順次全国で公開。(敬称略)

※渋谷ユーロスペースでは、7月20日まで公開。詳細は、こちら

(小宮山裕子、山本理恵子)


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