ラグビーの関東大学対抗戦は前半戦の日程を終えた。早大、明大、帝京大が無傷の4連勝で後半戦に臨む中、塾蹴球部は帝京大に痛恨の黒星を喫し、3勝1敗となっている。慶大は今後、明大、早大、立大と対戦する予定だ。
 
 
 青学大戦
 ▼十月二十二日 ○
 【慶大57―19青学大】

 慶大は前半6分、巧みなパス回しからWTB中浜(環3)が先制点を決める。続く十分にFL伊藤(環2)のトライ、18分にはWTB山田(総3)が長距離のランで鮮やかなトライを決めるなど、慶大は好調な滑り出しをみせ、前半を28―0で折り返す。
 後半開始後も、順調に得点を重ね、完封勝利も可能かと思われた慶大だったが、18分に混戦からトライを決められてしまう。さらに25分にも相手の豪快なランを止められず失点し、ロスタイム終了間際にもトライを決められ、試合終了。
 「立ち上がりは良かったが、後半集中力、フィットネスがない。バックスもミスが多い」と松永監督が振り返るように、勝利を手にしたものの課題が残る試合となった。
 
 
 帝京大戦
 ▼十月二十九日 ●
 【慶大13―16帝京大】

 ロスタイムは4分あるはずだった。時間は後半42分過ぎ。だが、モールがタッチに押し出された瞬間ノーサイドの笛が吹かれた。青貫主将(環4)は、「まだ時間があると思っていた。あと1分あれば……」と悔しさを滲ませた。
 試合の流れは悪くなかったが、慶大は攻守両面の要所で何度もファールを犯す悪循環。後半21分に逆転を許してしまう。それでも3点を追うロスタイムに敵陣でPKを得た。「ロスタイム時間の表示を見ると残り時間がまだあったので、PGで引き分けを狙うのではなくトライを狙った。だからボールをタッチに出した」(松永監督)。だが、結局この作戦が裏目に出てしまった。
 次週には明大戦を控える。優勝を狙う上で、チームにとってあまりに痛い黒星となった。
 WTB山田「相手ディフェンスに対応出来ていない面があった。次週に向け、また頑張りたい」。

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 関東ラグビーフットボール協会は10月29日の帝京大学と慶應義塾大学の試合において、場内へ発表された後半ロスタイムの時間と実際の時間が異なった問題に関し即日釈明会見を行った。協会は、後半38分に主審がタッチジャッジに対しロスタイムについて、「ロスタイムは2分」「残り時間4分」と二通りの言い方で伝達を行った可能性を示唆(ただし二通りの言い方のうち、前者は間違いなく発言されたという)。タッチジャッジが主審の発言を「ロスタイム4分」と勘違いした可能性があるとした。協会は慶大に対し、文書にて謝罪する予定。