【走り続ける塾生】慶大生お笑いコンビ・キャラメルアンセム

先月16日、大学生漫才師の頂点を決める「大学生M‐1グランプリ2017」(主催・早大放送研究会)が行われた。本選は、前田政二さん(本家M‐1グランプリ予選審査を担当)やお笑い芸人「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳さんら5人の審査員が採点、上位3組による決勝戦で頂点が決められる。
 
応募した1‌6‌9組の中、見事本選に出場できる8組に残った唯一の塾生。慶應義塾大学お笑い道場O‐keis所属の「キャラメルアンセム」だ。渡辺莉菜さん(経3)がボケを、石井優大さん(商3)がツッコミを担当している。  
 
キャラメルアンセムのネタ順は4組目。決勝に進めるか緊張の1本目だが、高得点をたたき出すことができなければ大会はここで終わってしまう。
 
「ほかのコンビはもっと笑いをとっていた。上回っていた。決勝には進めない」
 
それが彼らの感触だった。全組の漫才が終わり、決勝に進出する3組が発表された。結果は、堂々の1位。本人たちも思わず驚きの声を上げていた。とはいえ、ネタに自信がなかったわけではない。
 
400組ほどが参加した夏の大学生の大会で、3位になったときの1本目と同じネタ。前評判が高いからこその緊張だった。そのときの2本目を決勝で披露することもできたがそうはしない。「夏からの成長を見せつけたうえで勝ちたい」。これが二人のこだわりであり、これまで築き上げてきた自信だった。
 
迎えた決勝、ぎりぎりまで修正を重ねたネタで臨んだ。二人のボルテージは最高潮。テンポよく漫才は進んでいった。客席の声はほとんど耳に入ってこないほどの興奮だった。
 
運命の結果発表。審査員が投じた一票一票が場内のスクリーンに映し出されていく。3組が一票ずつで並ぶ。残り二票が入ると、結果は惜しくも3位。「優勝できる位置にはつけていた。ただただ悔しさしかない」と二人は話した。それでも審査員の前田政二さんは「そのままプロに来ても通用するレベル」と評した。
 
キャラメルアンセムは、一見クールだが内に熱いものを秘めた石井さんと、屈託のない笑顔を放ち「将来の夢はお嫁さん(笑)」と話す渡辺さんのコンビ。大学の空き教室で練習を繰り返し、様々な場所でライブに出演している。主に石井さんがネタを作り、詰まったときには渡辺さんが助け舟を出す。目指すのは、万人にうけ、エッジも効いた漫才だ。
 
今回の結果を受け、来年に向けてふたりはもう前を向いている。先輩とともにチームを組み出場する全国お笑いサークル団体戦「NOROSHI」という大会がある。この大会こそ二人にとっての今年の一つのゴール。先輩への恩返しでもある。ネタにさらなる修正を重ね、磨き上げている。
 
「NOROSHI」が終われば、次にやってくるのは本家M-1グランプリだ。2年間ためてきたネタを武器に戦う。そして迎える、次の大学生M-1グランプリ。とうとうラストイヤーだ。二人はリベンジを誓う。
 
1年後の同じステージの真ん中。そこで笑っているのは、慶應義塾大学お笑い道場O-keis所属「キャラメルアンセム」だ。
(城谷陽一郎)


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