慶應塾生新聞会 三田オフィス
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日本の近現代を”教養”から考える 教養が及ぼす影響とは

慶大教養研究センターが主催する、「教養研究センター基盤研究『教養研究』シンポジウムn‌o・1『日本の近現代を“教養”から考える』」が10月28日、日吉キャンパス独立館で開催された。帝京大学文学部教授で東京財団上席研究員の筒井清忠氏、京都大学名誉教授・関西大学名誉教授で関西大学東京センター長の竹内洋氏を招き日本人の教養について講演を行った。
 
筒井氏は「近現代日本の教養を見る視座」と題した講演を行い、教養の現状や近代教養の歴史などについて語った。
 
日本語における教養には元来、専門に対する知識としての教養、幅広い知識としての教養、文化の習得による人格の完成という意味での教養といった三つの意味が存在する。文化の多様化や、次々と情報を流すマスメディアの発達により現代の教養は危機的状況を迎えている。しかしながら、この状況でこそ文化習得による人格の完成という意味での教養、特に「古典」が重要であると述べた。
 
続いて、竹内氏は「『知者』の教養と『治者』の教養」と題し、知識人である知者と財界政人やテクノクラートである治者について述べた。
 
知者は治者であり、治者は知者でもあった前近代では、両者は重なる部分が多くあった。しかし、時代が進むにつれ、それらが職業化されていくことで接点がなくなってしまい、むしろ憎しみあうまでの関係になってしまっていると指摘した。竹内氏は軽快な語りで会場の笑いを誘った。
 
講演後は、教養研究センター副所長で慶大法学部教授の片山杜秀氏も加わり鼎談を行なった。それぞれの講演で語られた話題をさらに掘り下げ、近現代の教養に対する理解を深めた。最後には、質疑応答の時間が設けられ、聴講者の疑問に対し丁寧に解説がなされた。