ラグビーの関東大学対抗戦が九月十八日に開幕した。塾体育会蹴球部は十月一日に熊谷にて初戦・日体大戦を迎える。今回は蹴球部・青貫浩之主将(総4)に、夏合宿での成果や対抗戦への意気込みなどを伺った。

 過去五年間、早大の壁に屈服するしかなかった体育会蹴球部。去年は敵将・清宮監督(当時)曰く『史上最強』のフィフティーンを前に、対抗戦で屈辱の完封負けを喫した。

 だが、今季は番狂わせが起きるかもしれない。慶大は、三月の『全早慶』と六月の『春早慶』に連勝。八月に菅平で行われた定期戦では敗れはしたものの、今年初めてベストメンバーを揃えてきた相手に対し、後半37分までリードを保った。しかもレギュラー格のWTB山田とFB小田は、この試合には出場していなかったのだ。

 「合宿は山田抜きでもかなりやれたから、こういった結果につながった。ただ、真面目に戦っていてもまだ培ってきたもの、集中力の分だけの差があるという事」。青貫主将は冷静に試合を振り返った。リードした展開での後半37分、勝負を決したのは早大のFB五郎丸の五人抜き。主将の話す『差』は、こういう面にあるのだろう。

 夏の合宿を迎えるにあたっては、従来の「乗り切る」合宿ではなく、「成長する」合宿と位置づけた。「合宿の最後に対外試合を組んだが、成長が実感できた。スクラムが春シーズンを終えての課題だったが、合宿で成長し、早大とも互角にやれた」と胸を張る。

 一方で、もちろん反省も忘れていない。「モールディフェンスは課題には挙がっていたのだが、試合をやってもまだまだだった。ラインアウトの精度も同様」。早大を越えるための障害は少なくない。

 目標は「打倒早大とジュニア選手権のカテゴリA昇格、そして『正月越え』(大学選手権準決勝進出)絶対に目標は達成する」。ここまでの成果と実績の裏づけがあるから、確信がある。青貫主将の目は、自信に満ちていた。

(羽原隆森)