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【塾長を、考える】見えてきた状況、募る不信の声

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見えてきた状況、募る不信の声

慣例は存在するのか

今回の塾長選挙に対して慶應義塾関係者はどのように考えているか。一番多かった意見は、推薦委員会による教職員投票で1位だった人が塾長に選任されるという慣例が今回破られたことに対する説明責任を果たしていないということだ。

そもそも、教職員投票で得票数が1位だった人を塾長に選任する規則・慣行は無いと広報室は断言する。銓衡委員会に推薦する際に、得票数を一資料として付すという手続きを2‌0‌1‌2年から導入したため慣例化していたということもあり得ないと回答した。

しかし、今回取材をした関係者は、こうした慣例はあると語る。2‌0‌1‌2年以前は、銓衡委員会に推薦する際、得票数を付していなかったが、銓衡委員でもある学部長らが得票数を知っていたため、慣例はあったという。

大学が示した7年前の方針

2‌0‌1‌0年3月、慶應義塾常任理事会の名義で「今日の慶應義塾におけるガバナンスのあり方[未定稿]」という資料が出された。当時の常任理事会には、前塾長である清家氏のほか、現塾長の長谷山氏も常任理事として在籍していた。

この資料は、安西・元塾長が退任する直前から清家・前塾長の第1期途中まで、評議員会が自主的に委員会を立ち上げ審議し大学に提出、その後大学でも審議され、まとめられたものである。この結論を基に、明文化された事項は塾長選挙に関して二つある。

一つ目は、塾長の任期を通算2期8年までとすることが慶應義塾規約に定められたことである。

もう一つは、銓衡委員会に推薦する際に、得票数を一資料として付すことが塾長候補者推薦委員会規程に定められた点である。資料では、「塾長は教職員により選ばれる方式が慶應義塾に最も適している。(中略)評議員会の「最高議決機関」としての性格に鑑みれば、評議員会が、教職員の多数意見とは異なる形で塾長を選出することに対しては疑問が出てくる。同様に、塾長候補者推薦委員会(学内)による塾長候補者銓衡委員会への3人の候補者推薦も、順位と得票数を示してこれを行い、塾長候補者銓衡委員会も、銓衡にあたり、教学部門が行った選挙の結果をそのまま尊重するのが原則でなければならない」としている。少なくとも7年前は、清家前塾長や長谷山塾長が在籍した常任理事会は、教職員投票の結果を尊重することが原則だと考えていたことがわかる。

関係者の声