先月14日、第81回早慶アイスホッケー定期戦が東伏見のダイドードリンコアイスアリーナにおいて行われた。今年度最終戦、4年生にとって最後の試合となるこの伝統の戦いには両校応援団や多くの観客が集まり、会場は大きな熱気に包まれた。

秋の定期戦悲願の勝利を目指す慶大は果敢に攻撃を仕掛け、序盤は先制点を奪うなど奮闘を見せる。しかし、中盤からは早大の圧倒的な攻撃力の前に連続失点を喫し3‌―9で敗戦。有終の美を飾ることはできず、定期戦勝利の悲願は来年度に持ち越しとなった。

第1P、序盤は両チーム攻め込むも、なかなか得点が奪えない。試合が動いたのは開始9分、慶大は相手ゴール前で混戦となったところをFW富田(政2)が押し込み貴重な先制点を奪う。このまま試合の流れをつかみたい慶大であったが、味方選手の反則で一人少ない数的不利な状態となると、こぼれたパックを押し込まれすぐさま同点に追いつかれる。この後、第1P終盤からは早大ペースになるも、GK小池(経1)、DF在家(環2)らを中心に体を張った必死の守備で早大のシュートを防ぎ切り同点のまま最少失点で切り抜ける。

第2P、慶大は開始3分に失点、1‌―‌2と早大に勝ち越しを許してしまう。なんとか追いつきたい慶大は相手の反則で数的優位な状態をつくると6分、FW史(総2)からパスを受けたFW滝(政2)が鮮やかな同点ゴールを決め、慶大応援席はこの試合一番の歓声に包まれた。

なんとか試合の主導権を握りたい慶大であったが、ここから早大が徐々に本来の力を見せ始める。すぐさま、慶大は相手の素早い攻撃の前に勝ち越しを許すと、反則で数的不利な状況をつくってしまい、連続失点。結局このPで4点を奪われ、2―5と点差を離されてしまう。

第2Pのシュート数は早大24、慶大9と早大の素早く組織的な攻撃の前にゴール前まで押し込まれる場面が多くみられた。

最終第3P、大量得点を奪い逆転したい慶大だが、味方選手の反則で数的不利となると早大に1点を追加される。その後、慶大は相手の反則で数的優位な状況をつくり、積極的に攻撃を仕掛けるが、逆に早大の圧倒的な攻撃力の前に連続失点を喫する。

このままでは終われない慶大はFW安藤(政3)が1点を返し意地を見せる。しかし、結局点差を縮めることのできぬまま試合終了。総シュート数は早大54、慶大18と早大に圧倒された試合となった。

この試合で、これまでチームを支えてきた4年生が引退。しかし、得点を決めた富田、滝、安藤、2アシストを決めた史は来年度もチームに残る。このメンバーを中心とした新チームがこの試合の雪辱を晴らし、悲願の定期戦勝利を達成してもらいたい。

OB戦でも慶應敗退

定期戦は大学生が行う現役戦のほかにも、早稲田実業高校、慶應義塾高校が試合を行う高校の部や両部のOBである稲門クラブと三田クラブが戦う大OB戦と若手OB戦の2試合が行われた。

高校戦は2―2で引き分けに終わり、シュート数は早稲田25、慶應17だった。
 
大OB戦では三田クラブが先制するも、2―1で稲門クラブに逆転負け。若手OB戦でも、5―3で稲門クラブに敗れ、今定期戦は慶應側の未勝利に終わった。
(世古宗大士)