2017年7月28日

慶應塾生新聞会 三田オフィス
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【CAMPUS IDOL】 文学部民族学考古学専攻2年 池田桜子さん

往年のバレンタインの名曲を口ずさみながらチョコレート作りに励む、エプロン姿の女性。選曲の古さはさておき、澄んだ歌声は聴いていて心地がいい。窓から陽光が差し込むキッチンを一層明るく見せる彼女は、昔なじみの池田桜子さんだ。

刻んだ板チョコレートとバターを湯せんにかける。普段から料理をするだけあって、上機嫌に調理を進めていく手つきは慣れたものだ。いつか得意料理のグラタンを味わってみたい。一方裁縫は得意とは言えないようだが、なんでも完璧にこなすよりも親しみやすい。

完成した生地を型に入れてオーブンにセット。洗い物が終わればしばしの休憩だ。多忙な彼女とゆっくり話すのは久しぶりだ。雑談がてら近況を聞いてみることにした。

文学部の中でも少人数の、民族学考古学専攻に所属する桜子さん。小柄で力仕事のイメージはない彼女だが、夏休みは青森での2週間の発掘旅行に参加し、つなぎ姿で泥まみれになりながら楽しんだそうだ。

考古学の魅力はフィールドで学べること。「モノは嘘をつかないんだよ」と、いつも通りのおっとりとした語調で、けれども熱く語った。長いまつ毛に縁取られた大きな瞳が、キラキラと輝いている。好きなことに夢中な人は美しいものだ。

そんな桜子さんは、来年度は留学に行く。フィリピンで3カ月間英語を学び、その後サンディエゴに渡る予定だ。しばらく会えなくなるのは寂しいが、持ち前の明るさと朗らかさ、そして芯の強さを武器に、彼女は海外でその輝きをもっと増していくにちがいない。

話しているうちにオーブンから甘いにおいが漂ってきた。焼きあがったフォンダンショコラを、さっそく一つ自分で味見。「おいしい!」とほころんだ表情は、思わずこちらも笑顔になってしまうほど幸せそうだ。

今まで生きてきた中で、これといったバレンタインの思い出はないらしい。中学・高校の6年間を女子校で過ごした彼女にとって、バレンタインデーは大量のお菓子が女同士を行き交う行事。それは祭であって戦場であったと振り返る。

さて、完成した中でもとっておきの一つを袋に入れて、リボンをかける。誰にあげるのかと聞くと、「秘密!」とのこと。好きなタイプは見た目も中身も動物のようにかわいい人だと教えてくれた。我こそはかわいい系だという諸君、今年のバレンタインは素敵なロマンスが訪れるかも……?
(レジュメほしい)