三田祭という喧騒から空想の世界へいざなってくれるサークルがある。三田文学塾生会だ。

三田文学塾生会は月に一度読書会を行い、担当者が選んだ本について、皆で作者の生い立ちや背景、主張を調べ、作品に沿った議論を深めている。作品は人によってそれぞれで、児童文学を取り上げたり、国文学を専攻する学生で三島由紀夫や森鴎外を選ぶ人もいたりと幅広いジャンルを扱うそうだ。作品に登場する表現について作者はなぜこの表現を用いたのか、今の時代と比べてどのような意味付けができるのかなどを議論している。

個人的に小説を執筆して文学賞に応募する人もいるという。文学サークルということで文学部の人が多数を占めるかと思われたが、理工学部など他学部の人も所属し、気軽に参加できる。かなり自由度が高いサークルなのが見て取れる。

三田祭では「塾生三田文学」という部誌を200円で売っている。部誌にはよく練られた完成度が高い13の作品が載っていて、大変楽しめる。是非、第一校舎102教室へ足を運んでみてはいかがだろうか。
(好村周太郎)