「肉食」女子 男子上回る

自分は草食/肉食だと思う
自分は草食/肉食だと思う

 

一般的に、恋愛に対する姿勢は「草食」「肉食」に二分される。「草食」の特徴は消極的、平和主義、繊細、受身などが挙げられる。一方「肉食」の特徴は積極的、自信家、社交的などだ。

「自分は草食・肉食だと思う」という質問に対し「草食」と答えた回答が65.7%、「肉食」と答えた回答が29.3%であった。

世間的には恋愛に積極的なイメージのある慶應ボーイだが、「肉食」を自認する割合は3割にも満たなかった。それに対し「肉食」女子の割合は3割を超えており、慶大では女子の方が肉食な傾向にあるといえる。

全体の約5‌%が「その他」を選択したが、その中には様々な珍回答が見られた。一見草食に見せかけ実は肉食という「ロールキャベツ」やその逆の「アスパラベーコン巻き」、脂ぎった肉食系だが中身が薄っぺらい「ハムカツ」など、肉食、草食の枠にはまらない恋愛スタイルを表している。よく考えたらベーコンやハムは「肉食」ではなく「肉」、つまり捕食対象であるが。 法学部生の中には「六法全書が恋人」と答えた人がいた。とりあえず片思いにならないことを祈ろう。学業にいそしむ彼らに恋の女神がほほ笑むことはあるのだろうか。

SNSは控えめ

「恋人がいた場合、SNSに恋人との写真を載せますか」という質問に対し、「載せない」と回答した塾生が82.8%に上った。一方で、恋人との写真を「載せる」と答えたのは2割以下であった。周りの反感を買いがちなラブラブ投稿だが、本調査では少数派となり、SNSは控えめに振舞う風潮が見られた。

リラックス志向続く

恋人に求める最も重要な要素
恋人に求める最も重要な要素

 

「恋愛は、チャンスではないと思う。私はそれを意志だと思う」これは津島修治の言葉である。人間関係というものはひとえに「縁」であるが、かといって受け身の姿勢が正しいわけではない。恋愛も然りで、自分が、他人が、どのような人を理想とするのかを積極的に知るべきだろう。ちなみに「津島修治」は太宰治の本名である。

「恋人に求める最も重要な要素」!なんと甘美で愚直なアンケートなのだ。複数回答不可の厳しい質問だった。総合結果はグラフをご覧いただくとして、ここでは男女の違いに注目してみよう。男女ともに栄えある第1位に輝いたのは「一緒にいるとリラックスできる」だった(男子約55%、女子約60%)。実は15年前に弊紙が行った調査でもほぼ同じ結果が表れている。時代や環境が変わっても、長く一緒に過ごす相手に求めるのは「癒やし」なのかもしれない。今の表現は先達の受け売りである。

気になるのはルックスだ。多くの大学にミス・ミスターコンが存在するように、なんだかんだ外見も気になるだろう(上記コンテストは見た目の美しさだけを競うわけではないが)。これは男女で結果に差が生じた。「ルックスが良い」に投票した人は、女子が約5%であるのに対し、男子は4倍の約20%だ。この差が何を意味するのかは敢えて考察しないでおこう。

男女差が出た項目は他に「笑わせてくれる」がある。女子が約15%で、男子の3倍だ。女子は癒しだけでなく、楽しさを、刺激を欲しているのかもしれない。一方で「お金がある」にも差が出た。男子約3%、女子約1%と僅差だが、男子には若干のジゴロ願望があるということなのだろうか。

「20代で結婚したい」8割超

何歳で結婚したい?
何歳で結婚したい?

 

昨年の国勢調査で、生涯未婚率が男性で24.2‌%、女性で14.9‌%に到達し、過去最高を更新したことは記憶に新しい。さらに、2‌0‌3‌5年において、男性の約3人に1人が未婚で生涯を終えるという驚きの推計結果が存在する。

その一方で、男女とも結婚願望については高い水準が維持されたままだ。

生き方が多様化する現代において、慶大生はどの様な結婚観を持っているのだろうか。

「何歳までに結婚したいですか、あるいは結婚したくないですか」という質問に対して、「20代で結婚したい」と答えた塾生が8割を超えた。この結果は、弊紙が17年前に行った同内容の調査と比較して、15ポイントほど上昇している。一方で、17年前と同様に、女子よりも男子の方が「結婚したくない」と回答した割合が高く、また結婚願望においても同様に男女とも9割以上が結婚を望んでいることがわかった。

また、男女別でみると、30歳以上で結婚したいと考える割合は‌、男子は2割近くあるものの、女子は1割にも満たない。この違いには、女性の場合、妊娠・出産などに年齢の制約があるので早婚傾向があると考えられる。

「結婚観が多様化している」と言われる中で、慶大生の結婚観は早婚志向が強くなっており、年齢に関しての考え方は画一化しているといえる。

慶大学部生を対象に、ウェブアンケート方式で実施。集計期間は9月24日から10月30日で、有効回答数は1676。性別の内訳は男子が761人(45.8%)、女子が899人(54.2%)、無回答が16人(0.9%)。学年の内訳は1年生が440人、2年生が498人、3年生が529人、4年生以上が76人。学部の内訳は法学部が455人、文学部が410人、経済学部が208人、商学部が196人、理工学部が178人、環境情報学部が57人、総合政策学部が52人、医学部が51人、看護医療学部が35人、薬学部が33人であった。

【連載】学生文化研究所