ラグビー関東大学対抗戦第4試合、王者帝京大との一戦が23日、秩父宮ラグビー場で行われた。

慶大は前半15分、SO古田(医2)がトライを決め、先制点を挙げる。対する帝京大は3トライを決め慶大を引き離しにかかる。慶大も食らいつき前半42分、ペナルティーゴールをSO古田が決め、10-21で前半が終了した。

帝京大のキックオフで迎えた後半戦。開始直後に帝京大のトライを許してしまったが、慶大も負けじと後半16分、SH中鉢(経4)がトライをとった。しかし、その後帝京大が2本のトライを決め、点差が開く。慶大は得意のスクラムで果敢に挑みPR渡邊(経2)、HO松岡(環4)がトライをとるも、王者帝京大の壁は厚く、31-42で試合を終えた。

試合後、金沢HCは「スクラムなど、今日の選手の戦いぶりを誇りに思う」と語った。ただ一方、「6トライを取られると今の慶應の力ではそれを取り返すアタック力がない」と、アタック面がまだ不十分な点も指摘した。

夏に最も取り組んできたディフェンスは、絶対王者にもしっかりと結果として現れた。ハーフウェイラインではまだまだ課題があるものの、帝京大の強いフィジカルにも対応できるディフェンス力がついてきた。加えて、ブレイクダウンも良かった。帝京大はブレイクダウンがとても強いチームだが、ここで互角に戦ったことで試合の流れを引き付けることができ、対等に戦うことができていた。ただ、勝ち切るためのアタック力が不足していることも今回の試合で露呈した。個々の突破力に加え、チームとしての巧みなパス回しはできていない。抜けたプレーヤーへのサポートが遅いことも、点につながらない要因といえる。

今後、「慶應らしさ」を大切にしながらいかに勝負に勝つか。練習のバランスが問われてくる。
(高井日菜子・野澤昂至)