東京六大学野球、秋季リーグが開幕し春季4位の雪辱を晴らしたい慶大は、エース加藤拓(政4)が東京六大学野球リーグ史上24人目のノーヒットノーランを達成し、勝利を収めた。

5季ぶりの優勝を目指す慶大の大久保監督は絶対的エース加藤に初戦のマウンドを託した。初回、四球と味方のエラーでピンチを招くも三振で切り抜ける。その後加藤は、ライト河合(総2)の好守備にも助けられ5四球と時折、制球に苦しんだが自慢のMAX149キロのストレートを武器に要所を締め東大打線に得点を与えなかった。

春季リーグ戦から大幅に入れ替えた慶大打線は初回から機能する。河合の内野安打から岩見(総3)、郡司(環1)の連続タイムリーなどの5連打で幸先よく4点を先取した。リーグ戦初安打、初打点を記録した郡司は「春から初安打が欲しいと思っていたのでプレッシャーはありましたが、思い切って振れたのが良かった」と振り返る。その後も岩見、加藤の本塁打で効果的に追加点を挙げ、終わってみれば大量8得点と東大投手陣を攻略した。

慶大では9人目となる偉業に対して加藤は「試合に勝てたことが一番だが、なかなかできることではないので素直に嬉しい」と話す。初のスタメンマスクに抜擢された郡司は、「自分のリードというよりも加藤さんの力で抑えられたと思います」と謙虚だが、5四球と制球に苦しむ加藤を好リードし、バッテリーエラーもなく試合を引き締めた。

今後の秋季リーグの展望に関して、加藤は「まずは明日の試合に勝たないと意味がないので、来週のことは考えていない」と冷静に語る一方、郡司は「明日以降が僕にとって本当の本番なので、僕が慶應を引っ張っていくくらいの気持ちでリードしていきたい」と熱く語った。

秋季リーグの命運を握るであろうバッテリーから目が離せない。
(香西朋貴・川津徹朗)