法改正後 初の参院選 18歳以上が有権者に

選挙権年齢が18歳以上に引き下げられて初の参議院選挙が、先月10日に全国的に行われた。慶大日吉キャンパス内では期日前投票所が設置されるなど、新有権者の投票率向上のための新たな試みも見られる選挙となった。今回の選挙結果を踏まえ、18歳以上の若者の政治への関わり方の現状や、今後の政治や政党の在り方について関心が集まっている。

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与党である自公をはじめとする改憲派が、憲法改正に必要な3分の2に迫る議席を占めた今回の参院選。18歳や19歳の新有権者は45%が投票所を訪れ、その半数が自公に投票する結果となった。新有権者の中では、自らが投票所に行った際の写真をSNS上にアップする行為も見られた。

今回の参院選で注目された、SNSを中心とする若者の政治への関わり方。慶大法学部の小林良彰教授は、世代によって政治への参加の仕方は異なってくるものだと述べる。主体的かつ能動的に意見を発信できるSNSの利点を評価しながら、「間に多数の人物を介すSNSによる情報収集は直接的でなく、社会的少数の意見が流されてしまいやすい」との懸念を示す。同時に、SNS上では行うことが難しい政策に関する議論においては、活字媒体の重要性を説いた。

また若者の半数が自公に投票した結果には、憲法改正には反対しても現状を変えたくないという若者の心理が働いていると小林教授は指摘する。彼らが政治的社会化を迎えたのが民主党政権の期間であったために彼らが現在の民進党に対して良いイメージを抱いていないことも影響しているのではないかと分析した。

政党はこうした選挙権年齢の引き下げに伴う結果を受けて若者に向け、日本を維持するための長期的な政策を示すことが求められる。若者は今回の選挙をきっかけに、今後はより関心を持って批判的に政治を判断しなくてはいけない。小林教授は「目標だけではなく、それを達成するための手段や政策を挙げている政党か。財源的裏付けのある政策か。今後の予算案を出せる政党か。この三つを意識して政治を見ていって欲しい」と若者への期待を込める。

今後も新有権者が投票率を維持していけば、現在のシルバー民主主義も変化していくことが考えられる。

日吉にも期日前投票所

7月4日と5日の2日間にわたって、慶應義塾大学日吉キャンパス協生館内に期日前投票所が設置された。

投票所は選挙権年齢の引き下げに伴い、学生を含む有権者の投票率の上昇を目的として設置された。投票は、塾内の有権者のみでなく一般の有権者でも可能だ。

日吉キャンパスにおける期日前投票所の設置は初の試みで、初日に投票に訪れた有権者数は1‌1‌3‌0人に上る。これは同キャンパスの位置する横浜市港北区の区役所に来た有権者の人数を上回った。期日前投票に来た男性(21)は、「学生が多いところにある投票所だということで、興味があった」と語った。

またこの期日前投票所では、地元に住民票を置いたまま地元を離れてしまったため当日に投票ができなくなった人でも、出先から期日前に投票ができる不在者投票という制度も導入された。不在者投票に来た男子学生(理1)は「区役所で投票しないといけないと思っていたが、日吉でもできると知り、便利だと思った」という。さらに他の学生は「キャンパス内だとより多くの学生が(投票に)来ると思う」と述べた。

この試みは地元住民だけでなく、遠方から来た塾内の学生にも投票への関心を高める結果となった。


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