今年度園遊会が、横浜アリーナで3月23日に開催されることが決まった。主催は園遊会準備委員会。同会は昨年度まで園遊会を主催した卒業準備委員会との関連性はなく、有志の団体であるため、園遊会は非公式での開催となる。インターネットでの園遊会の参加受付は既に始まっており、2008年度慶應義塾大学卒業生と卒業生父兄が対象となる。

(高橋祐規・亀谷梨絵)

 昨年5月に全塾協議会は下部組織である卒業準備委員会を解散し、同会主催の園遊会の中止を発表した。しかし開催を希望する塾生が、應援指導部、体育会本部、三田祭実行委員会所属の3、4年生を中心とする園遊会準備委員会を結成。塾員の援助も受けて園遊会開催に向けて活動しているが、現在のところ全塾協議会や義塾の協力は得ていない。

 園遊会準備委員会は、昨年問題となった園遊会の財務管理状況を改める方針だ。正確な帳簿の作成を始め、第三者への情
報開示や公認会計士による監査を行う。さらに監査役として、塾員を中心とするコンプライアンス委員会を設立する。また、財務管理と共に問題となった園遊会後の塾生による暴力行為への対策として、ゼミやサークルへの説明会を開く予定だ。

 今年度園遊会は非公式ということもあり、園遊会の宣伝、チケット販売方法が問題となっている。園遊会準備委員会は有志団体であるため、構内のポスター掲示やチラシ配布は認められない。よって宣伝はウェブ上での告知やサークル・ゼミ単位での呼びかけ、三田の商店街でのポスター掲示に留まっている。同様に、チケット販売は構内はなく、ウェブサイトでのみ行われている。告知・販売方法が限られているため、園遊会の存在自体が塾生に十分認識されておらず、参加者の確保に苦しんでいるのが現状だ。

 チケットは園遊会2009の公式ウェブサイトで販売されており、チケット価格は2万円。販売期間・定
員は未定だが、決まり次第園遊会メールマガジンで告知が行われる予定だ。

 園遊会で行うイベントの詳細は現時点では発表されていないが、例年と同じ質のものを目指している。園遊会準備委員会委員長を務める大洞翔一さん(経4) は「毎年卒業時に開かれる大切な場であった公式の園遊会が中止になったのは非常に残念。今後、新生された園遊会を続けるためには今年が勝負。ぜひ多くの卒業生に参加してほしい」とコメント。例年数千人の規模で園遊会は行われていたため、卒業生の満足度を高めるためにも多くの参加者が必要となる。

 学生総合センターは、この園遊会は有志による私的な催しであることを理由に「今年は義塾として園遊会を支援することは不可能」との見解を示している。なお来年度以降、園遊会準備委員会が全塾協議会の下部組織として公認された場合には協力する可能性は高い、としている。

 園遊会は今年度、全塾協議会により中止が決定された。主催団体である卒業準備委員会の粗雑な財務管理状況が明らかと
なり、多額の負債を抱えていることが発覚。園遊会後の塾生の不祥事も相次いでいたことから、全塾協議会は卒業準備委員会を解散し、園遊会を中止するに至った。