ラグビー春季大会、早大戦が、先月5日ラグビーの聖地、大阪は近鉄花園ラグビー場にて行われた。

慶大は開始4分でWTB高木(商1)が独走トライを鮮やかに決め、試合に勢いをつけた。その後も早大相手に一度も得点を許さず前半を19―0で折り返した。特に守備が輝き、早大を無失点に抑えた。

後半も、開始9分で早大にトライを決められるものの、その勢いは衰えず、21分、26分とLO辻(文2)が、体の強さとスピードを生かしたボールキャリーを見せ、連続でトライを決めるなど、計38点を追加し、57―5という大差で勝利した。

慶大は昨年11月の早大戦、そして今年4月に行われた全早大戦の2試合連続で、試合終了間際まで2点リードするものの最後の最後にペナルティーキックで3点を入れられ、1点差で負けるという屈辱を味わってきた。しかし、本試合ではその悔しさをバネに、圧倒的大差での勝利を収めた。その勝利の理由を辻は、「80分間を通して慶應のラグビーを完遂できたこと」だと話す。早大にギリギリのラインまで攻められるも、持ち前の粘り強い守備で得点を抑えたことが勝利の決め手だろう。

先月26日に行われた、関東大学オールスターゲームの選抜メンバーにも選ばれた辻に今後の抱負を尋ねると、「春シーズンの試合もどんな相手であろうと〝勝つ〟という言葉に揺るぎなくチームで挑戦していくこと。そして、慶應は強いのだという自分たちの自信に繋げていきたい」と答えた。高木も1年生ながら本試合で2度のトライを決めている。若い選手の華々しい活躍に期待が高まっている。

ラグビー春季大会最終戦、拓大戦が先月19日、富士北麓公園で行われた。慶大は開始3分で先制を許すも、すぐにラックから相手の穴をつき、WTB金沢(商3)がトライ。その後も慶大はトライを量産し、前半で6トライを取り、流れをつかむ。後半はミスが続き、なかなか思うような試合運びはできなかったものの、51―36で勝利した。

トライも多く、試合には勝った慶大だが、フィジカルやディフェンスの面で課題が見えるなど、決してベストな試合とはならなかった。本格的な練習に入る夏に向けて、それぞれがどこを改善すべきかを考える、大事な試合になった。
(山本理恵子・野澤昂至)