日本のラクロスは数名の男子塾生によって広まった。それから30年、慶應ラクロス部は「pioneer’s pride」のチームスピリットを胸に、国内ラクロスの先駆者として常に全力で戦ってきた。今年度チームをまとめるのは、主将の山田晃平さん(政4)だ。

先月15日の早慶ラクロス定期戦では、5年ぶりに早大を破った。山田主将は第4Qに同点ゴールを決めてチームを鼓舞し、勝利を呼び寄せた。最後まで競り合った厳しい展開のなかでの白星は今後に繋がる重要な経験となった。早慶戦は、応援に訪れるOBや観戦客も多いことからプレッシャーもあり、試合後は安堵したという。しかし「圧勝したかった」、「夏に向けての改善点も多く見つかった」と、今回の結果に満足せず、さらなる高みを目指す姿勢を崩さない。

ラクロス部男女共通の特徴として、学生の主体性が挙げられる。試合の出場選手決め、戦術、練習メニュー、また裏方の作業など、チーム運営は監督の補助を受けながらも部員の手で行われる。

ラクロスの認知度は急速に高まっているが、海外と比較すると依然としてマイナーといえる。山田主将は、慶應ラクロス部が率先して、国内のラクロス大会を一層発展させたいと話す。今年の目標は、全日本選手権で優勝すること。そのためには、大会8連覇中で選手の半数が日本代表である社会人チーム、ファルコンズを破る技量が必須だ。ラクロスの質をより強化し、プレーだけでなく観戦も楽しんでほしいと抱負を語る姿には、ラクロスへの揺るぎない熱意が見受けられた。
(三谷美央)

慶大ラクロス部 創部30周年特集