慶大バスケ部の、05年度の戦いが幕を閉じた。去年は関東大学リーグ戦、さらにはインカレを共に制すという二冠に輝いたが、一転して今季はリーグ入れ替え戦を経験するなど、両大会を通じて苦戦が続いた。

 去年、全国制覇を果たしたチームの主力の多くは、志村・石田・辻内といった四年生だった。そういった選手を卒業で失った今季の慶大は、竹内公・酒井という二冠当時からの主力に頼りすぎてしまった。戦前から予想されていたところだが、まさにこれが苦戦の最大の要因だったと言える。全日本の合宿で大黒柱である竹内公を欠いてのリーグ戦開幕4連敗が、何よりもそれを象徴している。

 チームの迷走はこれだけにとどまらなかった。竹内公が復帰してもチーム状態を飛躍的には改善できず、大事なところで負けを重ね一部7位に甘んじた。それにより、二部2位拓大との入れ替え戦に望むという、最悪の展開になってしまった。この悪循環の中では、入れ替え戦相手の拓大に負けてしまっても、なんら不思議ではなかっただろう。

 だが、この戦いの中で慶大は大きく変貌を遂げた。試合中、何度も拓大に流れを持って行かれそうになりながらも、精神的な面で耐えしのいだ。結局、流れを渡すことなく僅差ながら連勝。見事に一部残留を決めた。若い選手が軸となっている現在の慶大にとって、この勝利はチームの将来に向けて大きな価値を持っているに違いない。

 そして竹内公・酒井頼みは、インカレの試合で克服の気配が見えてきた。準々決勝で東海大に敗れ、優勝の可能性が消滅した中で臨んだ、法大との5~8位決定戦。リードして迎えた後半、法大のゾーンディフェンスに竹内公・酒井が苦しむ中、G加藤・小松の二年生コンビが3Pで次々と得点を稼いだ。優勝がなくなり、モチベーションを保つのが難しい試合で、接戦になりながら勝利を掴んだ。チームを勝利に導いたのは、エース二人の影に隠れていた二年生達。彼らの活躍が無ければ、6位に滑り込む事は無かった。

 今季の慶大に対し、結果だけを見て寂しい印象を受ける人は多いだろう。しかし、リーグ戦7位・インカレ6位に至る上での内容は、決して無駄なものではなかった。精神的にチームが成長し、竹内公・酒井より下の下級生が経験値を上げた。その下級生が、今季の慶大の弱点と目されていたガードの選手であったというのも好材料だ。

 今年夏、竹内公は日本で開催される世界選手権への出場が確実視されている。つまり、来季もリーグ戦を控えたチーム作りの最終段階で、中心となる選手を欠くのである。この状況を踏まえて考えれば、今季同様の苦しい戦いを予想する声はあるだろう。それでも今季の厳しい戦いを通じ、慶大は間違いなく強くなった筈だ。二季ぶりのタイトル奪還は十分可能と言って、差し支えない。

 今季辛酸をなめた分、来季への期待は高まるばかりだ。

(羽原隆森)