就職の先を考える 「イクメン」塾員 伊集院弘和さん

伊集院

「企業は人で選ぶべき」そう語るのは現在、ミキハウスで男性として初めて育児休暇を取得した伊集院弘和さん(2000年、慶大経済学部卒)だ。伊集院さんは現在「イクメン」の走りとして、雑誌など多数のメディアで取り上げられている。就職活動時から現在に至るまでに仕事の向き合い方はどのように変わってきたかを語ってもらった。
「就活の時には仕事を趣味にしたいと思っていました。子供向けエンターテイメント番組を作るのが夢で、同じように夢を持っている仲間と働きたかったんです」就活ではマスコミを中心に受けるつもりだったが、ゼミの教授に他業種との違いを知るために各業界のトップ企業を受けるよう勧められた。

子供服ブランドは志望業種ではなかったが、最終面接は社長が応対するという点に関心を持った。面接を進んでいくうちに、社員ひとりひとりが夢を持ち、子供服に限らず、出版など幅広い分野を扱っていると知った。この会社であれば夢をかなえられると感じたという。
入社から15年間、念願の番組制作のほか、野村忠宏などのスポーツマネジメントにも携わってきた。やりたかった仕事ができ、仕事に生きる日々が続いた。そんな生活を一転させたのは、東京転勤を機に始めたサーフィンだ。趣味を通じて人脈が広がり仕事にも好影響があった。遊びの大切さを痛感した伊集院さんは、その後ワークライフバランスを意識して働くようになったという。

人生最大の転機となったのは、30歳でした結婚だった。慶大のテニスサークルで出会った妻とはずっと共働きの生活をしている。第一子誕生時に伊集院さん自身は、家事などに手出ししなかったという。しかし第二子が年子で生まれ、妻にかかる負担が増した。子育てへの興味もあいまって、自ら育児休暇を申請した。もともと子どもに関わる仕事をしていたので、育休には抵抗がなかったという。周囲の人を説得して、前例のない育休取得に踏み切った。
「男性にとって育休取得がマイナスになることはないと思います。よく周りの迷惑になるから取れないという声を聞きますが、普段から積極的に助け合っていれば、育休期間中も仲間がサポートしてくれるはずです」

育休を通じて得た経験も大きい。育児をしていること自体が取引先との会話のきっかけになったり、また母親の大変な苦労を知ることが出来た。復帰後も子供との時間を増やすため、夜の会食をなるべくランチミーティングに切り替えるなど工夫をしている。一連の経験を通じ、自分のやり方次第でどんな働き方も可能だと実感したそうだ。
最後に採用の場にも参加している立場から、塾生にメッセージを頂いた。「企業は既成概念にとらわれずに、自分で新たな道を切り開こうとしている学生を求めています。周りに迎合せずに、自分がどうしたいのか、揺るぎない自分の芯を持ってほしい。そのような方と一緒に働きたいですね」 (小宮山裕子)


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