SFC25周年記念国際シンポジウム「未来における大学間の教育・研究連携のグローバル展開」が先月9日、慶大三田キャンパス北館ホールで行われた。プログラムは、タンペレ工科大学教授のハンヌ・ヤーコラ氏、ハワイ大学学長のデイヴィット・ラスナー氏、北京外国語大学日本語学部長の邵建国氏、慶應義塾常任理事の國領二郎氏が順に大学のグローバル化への取り組みや意見を発表した後、パネルディスカッションを行う形で構成された。

ラスナー氏は「社会問題の解決には学問の枠を越えて協力し合わなければならない」と指摘し、そのための情報共有、ビッグデータの活用には、ハイスピードネットワークが必要であるとした。また、大学のオンライン講座の有用性についても主張。「安く大規模に高等教育の機会を与えることで、世界の教育格差の縮小に繋がる」と述べた。

また、ヤーコラ氏はタンペレ工科大学と慶應義塾大学の協力の歴史を振り返りながら、「継続的な交流、共同活動が出版物や組織といったプラスの成果に現れている」と述べた。卲建国氏は北京外国語大学の国際化の目的の変遷を総括し、「外国語ができる人材だけでなく、多分野・多言語で世界を舞台に活躍できる人材の育成が急務となった」と現状を表した。また、多様な留学生の受け入れが中国人学生への文化的刺激・外部世界への関心の養成につながっていることが説明された。

國領氏は、大学のグローバル化への要請がますます高まっている社会的背景に触れ、学際的な国際コラボレーションと世界標準の制度を取り込んだインフラ整備が必要であると述べた。

このシンポジウムはSFC25周年記念事業の一貫で、当日は多くの聴衆が日本語と英語を交えた白熱した議論に耳を傾けた。


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