慶應義塾は7月6日、慶應義塾図書館がグーグルブック検索図書館プロジェクトに参加したと発表した。義塾はグーグルと共同で、義塾図書館が保有する蔵書のうち、著作権の保護期間が満了した書籍をデジタル化し、グーグルブック検索を通じて世界へ公開する。対象となる蔵書は、明治初期までに日本で発行した和装本と、明治・大正期・昭和前期の日本語図書の約12万冊。慶應義塾関係書籍については先行してデジタル化され、完了した資料から公開する。

 義塾がグーグルと連携する背景には、義塾がDMC機構の全学デジタルコンテンツ共有システムの構築や、SFCグローバルキャンパスなどで進める「デジタル時代の知の構築」がある。グーグルとの連携で、義塾の蔵書という知の資産のデジタル化とその公開が短時間で実現するため、「デジタル時代の知の構築」の強化、充実に繋がると考えられている。

 また今回の共同事業で、来館時の図書館サービスとネットワークを通じた図書館サービス双方を視野に入れたハイブリッド型サービスの進展が加速する。さらに、デジタル形態での図書資料の保存、発信が可能となり、義塾図書館が目標とする、ネットワーク普及に伴う図書館利用の変化に合わせた次世代図書館システムの構築に大きく貢献する。

 このプロジェクトには既にハーバード大学、オックスフォード大学など欧米の25機関が参加しており、義塾はアジア初の加盟となる。国際的な教育研究関係の連携進展が期待されており、特に欧米の主要大学との連携による義塾の国際的評価の向上も期待される。