7月24日、教職課程センターが主催する連続講座「社会・他者との会話」の第2回講演、「~ハンセン病を生きて―尊厳回復の願いと私のたたかい―~」が催された。ハンセン病快復者の森元美代治氏(66年法学部卒)が、自らの半生を2時間にわたり講演した。

 ハンセン病は、らい菌により皮膚や抹消神経が侵される感染症の一つ。その発病率は極めて低く、1943年に化学療法剤(プロミン)による確実な治癒が認められた。しかし、日本ではハンセン病に対する誤った認識が長年にわたり一般化しており、森元氏を含むハンセン病患者は、国の定める「らい予防法」により、隔離生活などの非人道的な対応を余儀なくされていた。

 後遺症を残すことなくハンセン病を完治した森元氏は、1996年以降、自らの病歴を実名で告白し、「ハンセン病に対する国民の恐怖感を煽った」と評する「らい予防法」の廃止を訴えてきた。なお、森元氏は同法律が撤廃された現在でも、ハンセン病患者や快復者を始めとする、人々の尊厳の確立を目的とした様々な活動を行っている。