主将のプレーがチームを牽引

早慶戦で見事勝利し勢いに乗るなか、今年から復帰した1部リーグ戦を迎えた慶大バスケ部。順位決定戦を終え、8位で1部残留を決め、目標の大学日本一に向けて全日本大学バスケ選手権大会に出場した。昨年のこの大会では覇者東海大に敗れ、無念のベスト16に留まった。今年はリーグ戦の結果からシード権は獲得できなかったものの、1回戦で札幌大を破り、ベスト8とオールジャパンへの出場権をかけた法大戦に勝利した。しかし、昨年以上の結果は挙げたが、強豪青学大を倒し勢いに乗る大東大に対して、力負けしベスト4には届かなかった。

大東大戦後に大学日本一を目標に掲げた主将の伊藤(環4)は、「力を出し切ったとは思うが、相手の方が一枚上手だった」と語り、悔しさをにじませた。伊藤はインカレで順位決定戦を含む全5試合でほぼ40分間コートに立ち、その全試合で2桁以上の得点を叩き出し、チームを牽引した。今季就任した阪口HCから、周りを生かす純粋なPGを任された伊藤は、シーズン序盤こそ苦しんでいた。しかし、リーグ後半戦から自分だけで点を取るのではなく、周りを生かすプレーが随所に見られた。主将として悩み抜いた一年だったが、伊藤はチームにインカレベスト8という結果を残した。

3年生以下では、黒木(環3)、大元(環3)、福元(環3)も上級生としてチームを引っ張り、西戸(環2)も堅実なプレーが光った。そしてなによりルーキーのサワ(環1)の活躍は目覚ましく、来年に繋がる手応えも得た。

来年は強烈な点取り屋である伊藤の代わりに、大元や福元に得点面で期待がかかる。また、成長著しい西戸やサワにも期待したい。彼らが力を発揮すれば来年は今年以上の結果を挙げ、日本一を勝ち取ってくれるだろう。 (中澤元)