粘り強いディフェンスが勝利導く

第90回天皇杯全日本総合バスケットボール選手権大会が開幕。慶大は1回戦で全日本社会人選手権1位の九州電力と対戦した。苦戦が強いられると予想される中、ワンゴール差で勝利する。続く2試合目はプロリーグNBLの兵庫ストークスの実力を前に完敗。2回戦で敗退し、今季の試合を終えた。 (山下菜生)

今季のチームを牽引した主将の伊藤(環4)
今季のチームを牽引した主将の伊藤(環4)

【九州電力戦】今月1日 ○53-51 社会人1位に 逆転勝利

大学8位として出場した慶大の初戦の相手は全日本社会人選手権1位の九州電力。苦戦が強いられたが、53―51と僅差で見事勝利を収めた。

序盤は3Pシュートを3本沈めるなど、良い流れで入った慶大。しかし第2Q、司令塔の伊藤(環4)にマークが集中すると、攻めあぐねる場面が多くなる。持ち味のディフェンスで粘ったが、第2Qわずか4得点。17―26で前半を折り返す。

しかし、後半開始直後の伊藤の連続得点を皮切りに慶大が猛反撃をみせる。吉川(環4)やサワ(環1)も伊藤に続いて活躍。最終Qでは最後まで一進一退の攻防が続いたが、残り5秒で大元(環3)が勝ち越しゴールを決め逆転勝利を収めた。

試合後、主将伊藤は「結果よりも内容として慶大らしいものが出せたので満足」と語った。

【兵庫ストークス戦】今月2日 ●55-97 プロの壁高く 体格差に屈す

2試合目の相手はプロリーグNBLの兵庫ストークス。体格が違うプロ選手を相手に果敢に戦った慶大だったが、55―97で敗北を喫した。

慶大は試合開始直後から相手のリズムに惑わされ、立て続けに失点を許してしまう。早くも20点以上の差をつけられるが、真木(環3)の速攻や西戸(環2)の精緻なプレーで着実に得点を重ねていく。しかし実力差を埋めることはできず、24―50で前半を折り返す。

続く後半、序盤はオフェンスで権田(政4)の活躍が光り、非常に良い流れで得点を重ねる。最後は新チームを意識したメンバーで戦い、下級生らが活躍を見せた。プロの壁は厚く、結果としては55―97で完敗し、試合を終えた。

 


4年生引退試合インタビュー

主将 伊藤良太
「慶應は推薦もなくさまざまな人が集まるが、一人一人がチームにコミットできるよう、家族のようなチームを目指した。今年は監督が交代するなど過渡期であったが、来年は選手と先生できちんとコミュニケーションをとって、先生も巻き込んだ一つのチームを作ってほしい」

副将 吉川治瑛
「目指したものは見ている人たちに感動を与えられるチーム作り。自分では達成できてすっきりしている。来年はインカレ優勝を目指し日本一になってほしい」

権田隆人
「自分の代は各々がしっかりと軸を持っていて、自分のやらなければならないことをよくわかっていた。チームとしては何よりコミュニケーションを重視し、信頼関係を求めた。来年は今年よりもっと良い成績を残せるポテンシャルを持っているはず」