第81回関東学生バスケットボールリーグ戦が終了した。慶大は得点王に酒井泰滋(環3)、リバウンド王に竹内公輔(総3)が輝いたが、チーム成績は七位。一部残留をかけて、拓殖大学(二部二位)との入れ替え戦に挑むこととなった。

 入れ替え戦出場が決まったとき佐々木ヘッドコーチは言った。「入れ替え戦は、それを乗り越えるだけの覚悟と対応が求められる。そういった意味では、(決勝戦を乗り越え優勝した)去年と状況は一緒」。選手たちに求められるのはセルフ・コントロール。だが上を目指すチームとは勢いという点でまったく違うものがある。
 今年の慶大は若い。主力の竹内公、酒井は去年から活躍していたが、まだ三年生。そして彼らを中心に加藤(経2)、香川(環2)、竹内尚(総1)らがチームを固めている。出場経験の浅い選手が多いだけに、チームとしても個人としても、リーグ戦を通してなかなか安定することがなかった。
 しかしリーグ戦を終え、入れ替え戦への一週間の間に、意識は大きく変わった。試合中、苦しい場面でどうしても表情に苦しさを出してしまうといったメンタル面での弱さを、入れ替え戦では、ゲームの中で切り替えることができた。またリーグ戦ではほとんどかなわなかった土日二連勝も「一戦目とはまったく違う試合だと意識」して達成。
 リーグ戦ではクリアすることが出来なかったこれらの課題を克服できたこの勝利は、一部残留以上に大きな意味を持つだろう。そして「うちは一部で不利な状況ながらも戦ってきた。拓殖は二部だから、レベルの低い相手とやって感覚が鈍っていた。(勝敗は)その差だと思う」と酒井が話したように、一部で乗り越えてきた苦しい経験は、今後大きな伸びしろとなるに違いない。

リーグ戦プレイバック
0月15日 第11節 ○
【慶大99―72日体大】 序盤、先に抜け出したのは慶大。手堅いディフェンスと持ち前の早い攻撃がかみ合い、一気に二十点差をつけ折り返す。その後も主導権を譲ることなく、得意の先攻逃げ切り型で快勝。

10月16日 第12節 ●
 【慶大61―69日体大】
 前日の好調とはうってかわり、苦しい展開に追い込まれた。序盤は僅差でリードするも、2Qには逆転される。後半、再度リードを奪うが突き放すことができず、追いつかれる。決め手となるシュートを欠き、惜敗。

10月22日 第13節 ●
 【慶大61―79専修大】
 佐々木ヘッドコーチ「悪い流れを変えるのは自分(選手)なのに、どういうプレーしていくのかが描けていない。自分自身で出来ること、出来ないことの切り替えをしっかりしていかないと」

10月23日 第14節 ●
 【慶大71―75専修大】
 入れ替え戦を逃れるには、どうしても勝たなければならない一戦。序盤は、竹内公・酒井の着実な得点で一歩リード。だが後半、先週が連続十得点を決めると流れは一気に専修に。慶大も食いつくが、勝負どころを生かしきれず、あと一歩のところでとどかなかった。