喊声 11月号

人生は出会いの連続である。親友との出会い、恋人の出会いと生涯において重要な経験であることは間違いない。だが中には価値観や性格、時には人生をも変えてしまうほどのものが存在し、時としてその出会いは「良薬」にも「劇薬」にもなり得る可能性を秘めている

▼オディロン・ルドンという19世紀の画家は幼少期、病弱で内気な性格で家から出ず暗がりで過ごすことが多かったという。そのせいか作品の大半が黒を基調とした幻想の世界であった。だが、妻そして子との出会いによって家族の温かみを知ると、モノクロから色彩あふれる温厚で神秘的な作風へと変わっていった

▼ルドンのように出会いが自身の幸せを生む良薬となれば幸いだが、現実は厳しい。原子力のように発明者が良かれと思った技術が、広島、長崎の原爆や福島の原発事故のような悲惨な出来事を生む例がある

▼物事の潮流が激しさを増す近年、未知のものとの出会いが我々にとって吉か凶かを判断することはなかなか困難である。それでも我々は出会いを繰り返す。ルドンのような好機を生み出すことは難しいが、出会いは良くも悪くも我々に薬を与えてくれるはずである。 (坪﨑俊悟)


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