成功(?)したアロマキャンドル
成功(?)したアロマキャンドル

小学生のいとこから、夏休みの自由研究を手伝ってほしいと頼まれました。何をやればいいのかわかりません。
(ぼるるん・文2女)

「自由研究か、夏休みだね」と、好物のブルーハワイのかき氷を頬張る所長M。「私は時計作った」「俺は石けん作ったな」と自身の小学生時代を振り返る所員たち。そんななか、傍らから「最近アロマキャンドル作りにハマっていて。ローズの香りがお気に入りなんです」という一女の声がした。そこで所長はひらめいた。「A!自由研究として可愛いアロマキャンドルを作りなさい。一女を見習うのよ!」。

「面倒くさいな、キャンドルなんて」と思いつつも、一女に負けたくないというのが二女、Aの本音。バースデーケーキに付いてくるろうそくの残りなど、家にあるろうそくをかき集めた。それを湯せんにかけて溶かす。「熱っ!」Aは叫んだ。熱湯が指に触れたようだ。「普段料理とかしないからな」Yの的確な突っ込みが入る。手間取ってばかりのキャンドル作りだが、しばらくするとろうが溶けてきた。そこに、アロマオイルを入れる。ほんのりと桜の香りが漂ってしらないうちにAの顔にも笑みがこぼれる。「ローズの香りには桜の香りで勝負だ」。Aは謎のこだわりを見せた。溶かしたろうを紙コップに流し込み、ひもを付ける。そして可愛さを出すべく、表面をビーズでデコレーション。冷蔵庫で一晩冷やすと固まった。無事完成だ。

作業時間約30分という意外にも簡単なキャンドル作りに、Aもすっかりはまった。「キャンドルA」を自称し、暇さえあればキャンドルをところかまわず焚くほどだ。

一週間後の夜、キャンドルAはキャンドルを焚いて束の間の癒しを得ていたのだが……。朝目覚めると燃え尽きたキャンドルが。そう、キャンドルを焚いたまま寝落ちしていたのだ。幸い火事にはならなかったが、「慣れないキャンドルなんてそんなやるものじゃないわ。反省しなさい。」と、所長はAにキャンドル禁止令を出して終わった。
(×○くん)