東京六大学野球秋季リーグ戦は十月三日までに第四週が終了した。秋季二連覇を目指し、負けられない戦いが続く慶大は、第三週立教戦、第四週東大戦でそれぞれ勝ち点を奪い、最下位から順位を一気に二位に上げた。十月十五日からの第六週には、現在トップを走る法大との首位攻防戦が控える。
 春季優勝の早大は第三週の法大戦で勝ち点を奪えず三位に甘んじるなど、各チームが決め手を欠き、秋季リーグは混戦模様を呈している。
 現在二位の慶大にも、まだまだ優勝の可能性は十分残されている。

立教戦 接戦を制し今季初勝利

 第一戦 ○
【慶大3―2立大】
 先発加藤が2失点完投勝利。宮田(環2)・渡辺(環3)の適時打などで相手を突き放した。慶大は今季初勝利。

 第二戦 ●
【慶大2―3立大】
 立大の小林に二失点完投勝利を献上。9回の金森宏(環3)の2ランも実らず、手痛い敗戦を喫した。
 第三戦 ○
【慶大6―1立大】
 加藤(環2)・守口(商2)の継投で見事勝利。今季初勝ち点をあげた。

加藤 完封勝利でチーム救う

 第一戦 ○
【慶大2―0東大】
 「加藤に尽きる一戦」。杉山主将(政4)の言葉通り、加藤(環2)の力投でチームは東大第一戦に勝利。加藤は、今期二勝目を完封で飾った。
 加藤自身、この試合を振り返り、「(立教戦の連投で)疲れは残っているし、調子も決して良くなかった」と語ったが、コーナーを丁寧につくピッチングで、最後まで東大打線に的を絞らせなかった。
 一方で、打撃陣は東大の先発・松岡の緩急織り交ぜた投球に苦しんだ。得点は、渡辺(環3)の犠牲フライと相手のワイルドピッチによる2点のみ。散発6安打で、課題であるつながりのある攻撃は見られなかった。この点を改善して、今後の試合に臨みたいところだ。

慶大圧勝 勝点奪う

 第二戦 ○
【慶大16―2東大】
 優勝に向けて負けられない試合が続く慶大が東大を圧倒した。慶大は三回、久保田の適時打で先制すると、佐藤翔の3ランで一挙6点を奪う。さらに四回にも6点を挙げ、序盤で勝負を決めた。投げては先発の合田(政4)が五回を投げ1失点と、復調を期待させる好投を見せた。
 ただ、試合を終えて笑顔を見せたりしている選手達とは違い、杉山主将は「初回にあったチャンスをつぶしたのは悪いし、点を取った後の失点も残念」と述べ、反省を忘れなかった。鬼嶋監督も「結局は紙一重の試合だった。大量点はオマケみたいなもの」と、淡々と話した。
 それでもやはり、大勝で勝ち点を奪ったのは大きい。「流れは来ている」という主将の言葉からも、今回の勝利で得た自信が読み取れた。次回の法政との首位決戦が大いに期待できそうだ。

喝!

 慶大野球部が徐々に調子を取り戻してきた。明大に二連敗の後、立大には苦しみながらも勝ち越し今季初勝ち点をあげると、続く東大戦では二連勝し、第4週終了現在二位につけている。秋季リーグ戦連覇の可能性も出てきた。
 復活の要因として、加藤(環2)・守口(商2)らに続く「第二の」投手陣の安定があげられる。立大戦で先発を任された幸長(政3)、左投手が多い慶大投手陣の中で貴重な右のセットアッパー今福(環1)は、試合を重ねることに成長し、見事監督の信頼を得るに至っている。また、春季から調子を崩していた合田(政4)が東大第二戦で見事なピッチングを見せ、復活をアピール。昨季の優勝に大きく貢献した男の復活は、慶大にとって頼もしい限りだ。
 しかし、打撃陣に関しては、まだまだムラがあり改善の余地がある。
 次回15・16日は法政との首位決戦。ここで法政を倒せば、優勝も見えてくる。部員全員の悲願である「優勝」の二文字を勝ち取るには、絶対に負けられない戦いとなる。