10月13日、日吉キャンパス協生館藤原洋ホールで、宇宙飛行士の星出彰彦氏が講演会を行った。

 星出氏は1992年に慶大理工学部を卒業後、宇宙航空研究開発機構(JAXA、当時は宇宙開発事業団)に就職。2001年、宇宙飛行士に認定された。今年6月に日本の実験棟「きぼう」の宇宙での船外取り付けを行った。塾員では向井千秋氏(1977年医学部卒)に続き2人目の宇宙飛行士。

 会場には祝日ということもあり、多くの親子連れが来場。講演はタイやインドネシア、マレーシアなど海外5会場で同時中継された。

 講演会に先立ち、安西祐一郎塾長は「創立150年の節目の年に、星出君が宇宙で無事に任務を果たしたのは誠に喜ばしいことである」と挨拶した。

 続いて、星出氏が宇宙へ携行した「独立自尊の書」のレプリカと理工学部特製の「アルミ製そろばん」が義塾へ飛行証明書とともに返還された。

 講演では、宇宙での活動の様子が、ビデオ映像を使い詳しく説明された。その中で「宇宙での活動で大事なのは、仲間と協力する姿勢と、様々な事象に興味を持つこと」と会場の参加者にメッセージを送った。

 この後、星出氏と安西塾長が出席してパネルディスカッションが行われた。当日は、中継を結んだ海外からも積極的に質問が寄せられた。

 講演会終了後、星出氏は取材陣に対し「夢をかなえるには様々なハードルがありますが、つまずいてもそれを乗り越えようとする努力が大事。慶應で学んだ4年間が、その後の人生の貴重な財産になった」とも語った。