慶應義塾大学各キャンパス周辺には、数多くの飲食店がある。塾生は多くの店を利用しており、中には憩いの場となったり、卒業生が通い続ける店もある。塾生に長年親しまれてきた店の経営者は、塾生をどのように感じているのだろうか。日吉キャンパス近くのとんかつ三田、三田キャンパスそばのつるのやを取材した。

(壱岐俊介・兵頭美子)

とんかつ三田
—貴店の創業は。
 「今から30年ぐらい前だね」
—塾生は貴店をどのように利用していますか。
 「塾生はサークルでの団体利用が多い。学生さんの割合は全体の8〜9割ぐらい」
—塾生の良い点は、どのようなところですか。
 「ごちそうさまなど挨拶がしっかりしているところ。特に体育会の挨拶は気持ちが良いね」
—では、悪い点や改善してほしい点は。
 「全く注文していない人が食べていることや、店舗の2階で塾生が寝てしまっていることがある。そこはどうにかしてほしいな」
—現在の塾生と昔の塾生の違いはありますか。
 「昔に比べて、あんまり食べなくなったと思うよ」
—塾生とのエピソードはありますか。
 「飲み屋ではないので、残念ながらあまり塾生との関わりはないと思うな」
—塾生へのメッセージを。
 「ありきたりだけど、これから暑くなりますが、とんかつを食べて、元気に勉強してください」


つるのや
—貴店の創業は。
 「約40年前。慶應とは関係なく、たまたまこの地にね」
—塾生の利用は多いですか。
 「現役の塾生はもちろん、OBや教授も含めると慶應関係のお客さんが8割。主にゼミやサークルの飲み会だけど、新歓や追いコンなどの行事にもよく利用されるね」
—塾生との思い出のエピソードは。
 「色々な団体が贈ってくれたペナントが何よりありがたいね。70〜80枚あるんだけど、またOBがこれを話の肴に飲みに来るんだよ」
—塾生と接して感じる点は。
 「みんないい子だね。慶應ボーイとかのかっこいいイメージじゃなく、素直できちんとしている子が他大学より多い。お酒の席だからマナーが悪くなることもあるけど、注意したらすぐわかってくれる。それと上級生やOBの面倒見がよくて、いい上下関係ができていると思うね」
—現在の塾生と昔の塾生の違いはありますか。
 「何も変わってないな。そりゃ外見は変わったけど、一見変に見える子でも話してみるとみんなきちんとしてる。伝統校の学生として、昔からの慶應のいいところをちゃんと引き継いでいる」
—塾生にメッセージを。
 「礼儀とか、素直さとか、このまま慶應のいいところを変わらずに引き継いでいってほしい。うちも何にも変わらないからさ」