近鉄花園ラグビー場にて日本選手権の第1回戦が行われ、慶大はトップリーグ3位の神戸製鋼と対戦し、終始主導権を握られたまま計16トライの猛攻を受け、0-100と大差で敗れた。

和田監督が「完敗だった」と振り返る通り、慶大はトップリーグの力を思い知らされる結果となった。慶大は序盤から神戸製鋼の猛攻に晒される。ラインアウトからのパス回しで右に数的優位を作られると、最後は田邊に自陣右を突破され開始1分も経たずに先制を許してしまう。さらに4分にはターンオーバーから大橋に大きく進攻され、DFのタックルをなぎ払いながらそのままトライされ追加点を与える。その後も慶大は神戸製鋼の攻撃を抑えることができず次々と失点。攻撃面でも敵陣深くまで侵入するも、相手の圧力の前に屈し何度も反則を犯し好機を逃してしまう。一時は互いに攻めきれず均衡する場面もあったが、スクラムやラインアウトで相手の強力FW陣の前に力負けする場面が増え次々と球を奪われる。24分に再びトライを許すとそのまま立て続けに追加点を献上。結局前半だけで6トライを奪われてしまう。

陣地が代わった後半になっても神戸製鋼の勢いは止まらない。後半開始1分でトライを許すと、208㎝もの長身をもつアンドリース・ベッカーを筆頭に外国人を擁した圧倒的なパワーと素早いパス回しで一気にトライを量産。慶大も前半と同様、好位置まで攻め入るもターンオーバーを許すなど1点までが遠かった。終盤に入っても神戸製鋼の猛攻は収まらず、終了間際に敵陣ライン際まで追い詰めるもここでターンオーバーを許し約100㍍を独走されダメ押しのトライを決められる。コンヴァージョンも決まり最終的には前半を上回る10トライ。3桁失点を喫しトップリーグに力を見せつけられ、初戦敗退となった。

この敗戦によって今季の公式試合はすべて終了となり、宮川主将など4年にとって最後の試合となった。

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和田監督のコメント。

「一言で言えば強い。完敗だった。だが、選手は最後までワントライ、ワンスコアをとりに最後まで全力を尽くしてくれた。大学選手権ベスト4を目標にやってきたが、さらに強力な敵とやるのにはまだまだチーム作りができていなかった」

宮川主将のコメント

「神戸製鋼は非常に強かった。しかしその中でも選手、特に後輩たちはブレイクダウンや体格差がある中でのディフェンスという点でトップリーグに通用する部分もあった。それが今後の慶大蹴球部の財産となって、新年度のチームが飛躍する要素になってくれればいいと思います」