今年、全国で記録的な猛暑が続き、関東地方の8月の平均気温は33℃と、明治9年以来4番目の高水準となった。連日の酷暑は記憶に新しい。東京で8月中 30℃を超えた日数は27日。これは昨年よりも7日多く、月間の平均気温も29・0℃と昨年より1・5℃上昇していた。また、横浜では30℃を超えた日数は東京とほぼ同じ26日で、平均気温も28・0℃と昨年より1・3℃高かった。

 8月の猛暑は、電気消費量にも影響を与えている。今夏、関東地方における最大電力供給量は、6147万kW と過去5年間で2番目の記録となった。慶應の各キャンパスにおける電気消費量も例外ではない。

 猛暑の続いた影響で湘南藤沢キャンパスでは、8月の電気使用量が前年に比べ、5万5320kW、矢上キャンパスにおいては6万8480kW増加している。しかし三田キャンパスでは、8月の東京の平均気温の高さにも関わらず、電気使用量は前年よりも1261kW減少している。確かに猛暑の影響を受け電気量が増加した施設はあるが、昨年に比べて利用が少ない施設もあり、結果としてプラス・マイナスゼロの前年並みの使用量(前年度比99・9%、1261W減)となった。

 またもっとも電気使用料が増加する期間に、各キャンパスは夏休み期間であり、各施設が本稼働の状態でないことから電気の使用量が猛暑の影響を全体的に受けているとは言い難い。しかし、関東全域の平均気温と電気供給量を考えれば、特に今年の猛暑はヒートアイランド現象に代表されるように環境問題など、様々な面に多大な影響を与えている。来年もまた猛暑が続くようであれば、影響はさらに大きくなっていくであろう。

(鈴木謙)