今年度も12月1日から経団連所属の企業による情報公開が解禁され、2015年度卒の就職活動が本格化した。「短期決戦」の見込みとなる就職活動において、これから各業界や企業などの情報をどれだけ多く手に入れられるかは大きな鍵となる。

1月号では各業界の人事担当者のお話を掲載するとともに、就活生に役立つ言葉が満載である『現代用語の基礎知識』の編集長にもお話を伺ってきた。(就職活動取材班)

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社会インフラを高い信頼で支える

―事業内容
ICT(Information and Communication Technology)に特化した事業を行っています。システムやサービスを法人等のお客様に提供することがメインビジネスであり、ICTサービスという観点では国内で売り上げ1位、世界でも4位の実績を残しています。

―企業の強み
最先端のテクノロジーとプロダクトを駆使した、トータルソリューションをお客様へ提供できるという、ICTに特化してビジネスを行っているが故の強みがあります。加えて、例えば東京証券取引所のシステムも当社が提供しており、社会インフラを担うような24時間365日止まってはいけない大規模システムを高い信頼性で支えていることも当社の強みの一つです。

―社風
それぞれがそれぞれの想いの中で受け継いできたDNAが存在する会社であり、これという社風を挙げづらいのがまた面白い会社かもしれません。

その中でも、国産初のコンピュータ開発に大きく貢献した池田敏雄氏が残した「決めるまでは部下も上司も対等な議論を行え。一旦決まったら文句を言うな」という言葉が大事にされています。もちろん、上下関係はあるものの、仕事においては対等な議論をしようといった雰囲気があります。

また、「ともかくやってみよう」「夢をかたちに」といった歴代社長の言葉も、社内で脈々と受け継がれており、社風をかたち作っていると思います。

―求める人材
「好奇心を持って行動できる」、「継続して社会人基礎力を伸ばすことができる」、「富士通に共感できる」という3つのキーワードを掲げています。「好奇心」を1番目に掲げた理由は、ICTという世界が無限の可能性を秘めているためです。新しい技術、ICTを使ってこれから何ができるかをワクワクしながら考える気持ちを持って仕事に取り組んでいくことが非常に重要なためです。もちろん主体性やコミュニケーション能力も大切ですが、これは会社に入ってから鍛えることができます。しかし、好奇心はそう簡単に育むことができるものではありません。

―採用について
理系は学校推薦採用が主であり、そのほかにオープンエントリーによる自由応募採用があります。その中でも、富士通で何をやりたいかが明確に決定している/していないで採用コースが分かれています。

入社後の職種・配属を内定時点で決めていくのか、内定後にじっくりとやりたい仕事を決めていくかの二つの軸で採用活動をしています。

また、2011年度から始まった「Challenge&Innovation採用」では、自分のこれまでの取り組みや実績をアピールし、評価を行うという採用方式も取り入れています。

―就活生へのアドバイス
とにかく就職活動という枠組みに当てはめようとしないこと。自分をいかに出すか、自分らしさをいかに出すかをとことん考え抜いてください。

聞き手=小林知弘