「センター試験の得点が伸び悩んでいます、どうすればいいですか!?助けてください!!」(受験生匿名希望)

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「こりゃまた切実な相談だな。センター試験・・・思い出したくもない」と話すのは国立受験に失敗した所員のS(法2)。「センター試験なんてコツを掴んじゃえば簡単じゃない?」飄々と言ったのはセンター試験を実際に2度受けたK(文2)。

「よーし、試験に勝つにはまず傾向と対策を知ることだ。S、実際にセンターの問題を解いてこい!」となぜか張り切る所長のK(理3)、Sは渋々引き受けた。

後日Sは大学の教室に所員たちを集めた。そこで取り出したのは青い表紙の「センター試験予想パック」。「よーし、お前ら。今日はこのセンターの問題を解いてもらうぞ」となぜか口調まで試験官のようなSに集められた所員たちは暗い表情。

そこに颯爽と現れたのがなぜかひとり学ランに身を包んだZ(経2)。うつむく他のメンバーとは対照的に気合充分だ。

こうして始まったセンターへの挑戦。所員たちは国語・数学・英語の3教科に挑戦した。

学ラン姿で真剣な表情

1教科目は国語。「国語なんて日本語なんだから余裕だわ」と自信満々だったO(法2)は、内部進学でセンター試験を受けたことがないため、マークシートの塗り方が分からず苦戦。大学受験の洗礼を受ける。さらに古典に差し掛かると所員たちの手が完全に止まる。「こんなの読めるわけねーじゃん」と逆ギレしだす始末。

2教科目は数学。この日に集まったのは文系だけだったため、低いレベルでの争いが繰り広げられた。「平方完成ってどうやるんだっけ?」「余弦定理とかおぼえてねーわ」と、受験生が聴いたら耳を覆いたくなるような発言が飛び交う教室。そんな中「……。」と完全に手が止まるO。「分数の計算ができなーい」と泣き出しそうな顔。所員たちの心はこの時点でボロボロになった。

最後の教科は英語だ。この教科は大学でも勉強しているだけあって、所員のやる気も復活した様子だ。特にさっきまでの教科で撃沈していたOはアメリカ帰りの帰国子女。「余裕で満点でしょ~」と自信満々の表情で解き始める。しかしセンター英語は時間との戦い。予想外に短い制限時間に所員たちも苦戦する。挑戦した所員全員どうにか時間内に全てマークし、試験は終了した。

全教科終えたところで、採点し結果発表。案の定全員が数年前の自分が見たら目を疑うような残念な結果に。

「うわぁぁぁーー!!」と突然叫ぶZ。「T大がーーー!!」。「まさかZ、まだT大に行きたかったの?事務所に相談したのもZだったのね」。こうしてZのT大への挑戦は幕を閉じた。(ちちぶ)