今年度も12月1日から経団連所属の企業による情報公開が解禁され、2015年度卒の就職活動が本格化した。「短期決戦」の見込みとなる就職活動において、これから各業界や企業などの情報をどれだけ多く手に入れられるかは大きな鍵となる。

弊紙では各業界の人事担当者のお話を12月号、1月号で掲載する。弊紙読者の就職活動の助けに少しでもなればと思う。(就職活動取材班)

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「夢と感動のおもてなし」で働く

―企業の特徴
高い「配給力」と「宣伝力」が当社の強みです。グループ会社で映画興行会社のTOHOシネマズは、日本最多の観客動員数を誇っています。つまり東宝に作品を預ければ、大規模な劇場ブッキングができます。また宣伝部には、ヒットの実績を築いてきた長年のノウハウが強みになります。

この2点よりヒットの信頼を得て、「良い企画」が他社より集まりやすい特徴があります。

―業務内容
東宝株式会社には大きく分けて、「映画」「演劇」「不動産」の3つの事業があります。

映画配給会社としては、10年連続首位の実績を誇り、企画・製作会社としても日本随一のスタジオを持っています。『風立ちぬ』『永遠の0』『劇場版SPEC~結~』など幅広いジャンルの作品を手がけ、年間約30作品の配給を行っています。

演劇部では、帝国劇場やシアタークリエでの公演を中心として、企画・制作から宣伝、興行までを行っています。不動産経営部では、全国に所有する土地や建物を活用して事業を展開しています。

―社風
2013年で創立81年となり、「夢と感動のおもてなし」というキャッチフレーズのもとで活動しています。 特に自社幹事の作品開発に力を入れており、今年は『プラチナデータ』『奇跡のリンゴ』『陽だまりの彼女』などのタイトルをそろえました。また部門を越えて若手が企画を出し合う連絡会や、毎年2月を全社員が参加可能な映画企画応募月間にすることによって、若手が活躍する機会を作っています。

―求める人材
求める人材として4つの要素を挙げています。

1つ目が「プロフェッショナル志向」。映画や演劇への愛着を超えて「その業界でビジネスをしたい」「お客様に楽しんでほしい」という気持ちを持っている人を求めます。2つ目はお客様の心を動かし、新たな作品やサービスを提供するために必要な「引き出しとアンテナ」です。3つ目は目標を示し、周りの人たちの協力を得ながら行動できる「プロデュース能力」。そして4つ目が「自分を磨く力」。入社してから必要になるスキルの大半が社会人になってから身についていくものなので、成長し続けるための向上心が必要です。

―採用について
採用は各部門で分けずに総合職一括採用です。昨年は、webでの小論文、適性試験の後に書類選考を行い、面接や筆記試験、グループ討議を行いました。

当社の選考は人物本位で行われ、さまざまなタイプの人を求めています。―就活生へのアドバイス 真剣に打ち込んだからこそ得られる、生きた経験を語れることが大事なのではないかと思います。そしてその経験を自分の言葉で語り、自身の特色を出してほしいです。

聞き手=井上絵梨