チームを牽引する主将の蛯名
17勝1敗で入れ替え戦へ

昨季2部で苦しいシーズンを過ごし、迎えた今季は上背のない布陣ながら初戦から勝ち星を積み重ね、慶大のスタイルである堅守速攻を体現。国士大に黒星をつけられたものの、17勝1敗と圧倒的強さでリーグ優勝を果たした。長期にわたるリーグ戦で勝ち続けた自信を胸に、短期決戦となる入れ替え戦に臨む。 (中澤元・森俊貴)

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駒大戦 ○142-76 層の厚さみせ 記録的大勝

リーグ戦が進むにつれて堅守速攻に磨きがかかり、得点力が増してきた慶大。駒大戦でも圧倒的な攻撃力をみせつけ、142―76と記録的なスコアで勝利した。

試合開始直後から連続でシュートを沈めていく慶大。さらに駒大へのシュートチェックを欠かさず、点差が開いていく。慶大はメンバーを入れ替えながら攻め続けるが、その間も勢いはとどまることを知らない。第2Q終了時には矢嶋(総4)の3Pシュートがブザービーターで決まり、69―27で試合を折り返す。

後半に入ると慶大はスターティングメンバーを下げ、リザーブメンバーを主体に変える。それでもなお慶大の勢いは衰えず、第3Q残り3分には西戸(環1)のバスケットカウントで100得点に到達。チームの総力で攻め続けた慶大が142―76で駒大を下した。

この試合、慶大は選手層の厚さを見せつけた。シックスマンとして成長を続ける吉川(環3)は「入れ替え戦やインカレを視野に、得意のドライブで得点を狙っていく」と語った。

法大戦 ○99-69 流れ渡さず 難敵に圧勝

リーグ11戦目は相性の悪い法大との対戦。昨季アシスト王の高田をどう抑えるかが鍵になる試合だったが、99―69と30点差をつけ相手を圧倒した。この勝利で慶大は連勝を14に伸ばした。

試合は序盤でディフェンスリバウンドに苦しんだ慶大だったが、西戸(環1)のミドルシュートでペースを掴み、24―18とリードして第1Qを終える。第2Q、慶大のオフェンスが機能し、17点のリードで試合を決めたかに思われた。しかし、連続12得点を奪われ、44―39で前半を終える。

後半に入ると、前半の悪い流れを断ち切る連続11得点でリードを奪った慶大。77―52で第3Qを終える。最終Qは吉川(環3)などのベンチメンバーも躍動し法大を突き放す。最終スコアは99―69と大差で勝利した。

日大戦 ○104-85 2部優勝決定 快勝で飾る

ここまで14試合全勝と破竹の勢いの慶大は日大とぶつかった。2位国士大とのゲーム差が4のため、優勝決定戦となったこの試合。チーム一丸となって勝利への執念をみせつけた慶大は104―85で日大に快勝した。

序盤から得意のオールコートプレスでスティールを狙っていく慶大。この試合、チーム全体で16本のスティールを奪う。日大に思い通りのプレイをさせず、前半を45―39と6点リードで折り返す。

後半に入ると、日大のルーキー高橋の3Pシュートが入りだし、苦しい場面も一時見られるが、慶大の流れは衰えない。主将蛯名(法4)のアシストからエース伊藤(環3)が着実に得点を重ねていく。大元、矢嶋(総4)の3Pシュートも後押しし、リーグ前半戦で苦しめられた日大を104―85で下した。

この勝利で慶大のリーグ優勝が確定した。「あと3試合あるが、一試合一試合を戦うだけです」と佐々木HCは意気込みをみせた。

国士大戦 ●83-90 優勝の矢先 連勝ストップ

リーグ15戦目は、この時点で2位につけている国士大との対戦となった。連勝を伸ばしたい慶大だったが国士大のオフェンスに終始苦しみ、83―90で競り負けた。

第1Qは互いに一歩も譲らない展開だったが、伊藤(環3)のブザービーターで、23―19とリードを奪う。第2Qに入ると慶大のシュートが落ち始め、ディフェンスでも相手を止められない。わずか9得点の間に25失点を喫し、32―44で前半を折り返す。

第3Qに入っても、相手の粘り強い攻守に押され、一時19点のリードを奪われる。しかし、大元(環2)や黒木(環2)などの得点で、60―65と点差を5点差まで詰め、最終Qへ。西戸(環1)のレイアップで早々に逆転し、このまま逆転勝利かと思われた。しかし、相手の司令塔松島を中心とした攻撃を止められなかった慶大。終盤に逆転する粘りを見せたが、83―90で今季初の敗戦を喫した。

関学大戦 ○107-85 流れ取り戻す 安定の勝利

先の試合で初の黒星を喫した慶大。全勝優勝は逃したが、入れ替え戦へ向けて良い流れを取り戻したい慶大。2メートルの外国人選手を擁する関学大を相手に内外から積極的に攻めていき、107―85で快勝した。

インサイドの外国人選手に対して積極的にプレスをかけていく慶大。思い通りのプレイをさせず、リバウンドをキープしていく。だが手薄になったアウトサイドから3Pシュートを連続で沈められる。一進一退の攻防を繰り返し、24―23で第1Qを終える。

この流れを変えたのはこの日21得点と好調の矢嶋(総4)。第2Q中盤、内外から連続してシュートを沈めていく。さらに、黒木(環2)のリバウンドが光り、味方の機会を増やす。安定したプレイを見せた慶大が107―85で関学大に勝利した。

リーグ戦も神大戦を残すのみ。今後のためにも負けられない試合となる。

神大戦 ○110-100 勝利で飾り 入れ替え戦へ

リーグ戦18戦目は神大との対戦。長いリーグも最終日を迎え、最終戦を勝利で終えたい慶大は、序盤から苦しめられながらも第4Qに逆転し、110―100で点の取り合いを制した。

試合は序盤オフェンスが機能せず、第1Qは19―20と神大に先行される。第2Qに入ると、ディフェンスリバウンドに苦しみ、相手に好機を与えてしまう悪い流れから点差を縮められない。46―50とリードを許したまま、前半を折り返す。

第3Qも神大のエース古橋を抑えきれず、72―78で勝負は最終Qへ。第4Q、この日絶好調の矢嶋(総4)が立て続けに得点し、逆転に成功する。さらに、同期である大元(環2)と黒木(環2)の連携で、神大を追いつめた。100点を奪われ、最後までディフェンス面で苦しんだが、「オフェンスで攻め切れた」(蛯名)と、110点を奪った慶大。最終スコアは110―100で神大に勝利した。

これで今季リーグ戦を17勝1敗で2部優勝を果たし、1部最下位の中大と入れ替え戦を戦うこととなった。入れ替え戦に向けて、今季リバウンドで貢献した黒木(環2)は「考えすぎず自分のプレーを」と気合いを入れた。佐々木HCは「30点勝つ力がないと上には絶対に上がれない」と1部昇格へ上を目指して戦う。