開幕5連敗で最下位に転落

開幕戦で2―6の大敗を喫した慶大。続く桐蔭横浜大戦でも4失点で敗北すると、筑波大戦、明大戦、中大戦も落とし、5連敗で最下位に転落する。失点が5試合で21という守備の脆さが目立った。また、攻撃陣も奮わず、得点が3とチーム全体での不調が如実に表れる結果となり、早急なチームの立て直しが求められる。 (木下俊亮・井口聡一郎)

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桐蔭横浜大戦 ●1-4 先制するもミスで自滅

サイドで激しく競り合う飯高
今節は前期リーグ戦で敗れた桐蔭横浜大と対戦した。

前半から両チームともに攻め合い、チャンスを演出する。先手を取ったのは慶大。前半8分、FW武藤(経3)のパスを受けたFW端山が先制点を挙げる。その後もMF淡野(文3)のスルーパスから決定機を迎えるなどして試合を作っていく。しかし前半18分、油断から桐蔭横浜大のカウンターを喰らい失点。同点に追いつかれ、浮足だった慶大はパスミスを連発する。さらに、高さのある桐蔭横浜大にロングボールの競り合いで勝てず、思うようにボールをキープできない。前半29分に逆転されると、主導権は完全に桐蔭横浜大へと移る。

後半に入っても慶大は逆転への糸口を見つけられない。守備においては、前節のように、最終ラインでピンチを招くようなミスが増えていき、後半28、38分に失点。そのまま1―4で試合は終了。またしても大量失点での敗北を喫した。

筑波大戦 ●0-3 攻めて欠き 課題残す

慶大は筑波大と対戦。終始攻め手を欠いた試合展開で、3―0と完敗。課題が浮き彫りとなった。 慶大は今試合で初めて3―4―3のフォーメーションを組み、相手の裏をかく戦略で臨むが点を奪えない。

後半4分にオウンゴールを許し、ペースが落ちたところに後半6分、追加点を奪われる。さらに、後半ロスタイムにダメ押し点を決められ万事休す。1部リーグ残留に向け、「思うようなサッカーは出来ていた」(須田監督ら)と語るも、課題が増える結果となった。

明大戦 ●0-2 ペース握るも脆さ露呈

後期開幕から依然勝ち点を得ていない慶大。今節は前回の対戦で完敗を喫した明大と対戦した。

慶大は前半9分にサイドから崩され、先制されるも、持ち味のパスサッカーで流れを引き寄せる。しかし、崩しの局面で決め手を欠き、得点することができない。

後半に入っても攻め続けたが、徐々に明大が対応力を発揮。逆に後半25分、ボールを奪った明大は速攻を仕掛け、簡単に追加点を挙げる。慶大もMF端山がクロスバー直撃のフリーキックを放つなど、惜しい場面もあったがそのまま0―2で試合は終了。前期と同様、後期開幕4連敗となった。

明大の巧みな試合運びに屈した形だ。守備に徹し、慶大に疲れが見えたところをすかさず突き、チャンスで確実に得点した。対して一定のペースで試合を進めた慶大。勝負所でパススピードを速めるなどの発想があれば、明大の守備を混乱させることができたはずだ。また、ゴール前でのアイデアの欠如も目立った。チャンスでより多くの選手がリスクを冒していくことが求められる。

中大戦 ●1-6 またも大量失点 最下位に転落

連敗を喫し、2部降格が現実味を帯びてきた慶大。残留へ一戦も負けられない状況で臨んだ中大戦だったが、またも守備が崩壊し、1―6の大差で敗れた。

序盤からDF溝渕(環1)、DF増田(環3)の両サイドバックが果敢にオーバーラップを仕掛け、厚みのある攻撃を展開。慶大ペースで試合が進むと思われたが、前半13分にフリーキックから失点を許す。その後も前半20、27、44分に追加点を献上。前半35分にはDF望月(環1)がこの試合2回目の警告で退場してしまう。

0―4で試合を折り返した慶大は劣勢を覆すため、エースのFW武藤(経3)を投入。その武藤を中心とした攻めで中大ゴールに迫るが、1点が遠い。逆に中大に後半36分、45分と得点を与えてしまう。FW武藤のPKで1点を返したがそのまま試合は終了。5連敗でついに最下位に転落した。