多くの来場者で賑わいを見せたSFC

慶大の各キャンパスにて高校生向けの各種イベントが開かれている。総合政策学部・環境情報学部・看護医療学部を対象としたSFCでのオープンキャンパスをはじめ、三田では講義入門や地方出身者対象大学説明会が開催された。今月末には、日吉で全学部、矢上では理工学部を対象としたオープンキャンパスがそれぞれ開催される予定となっている。  (武智絢子)

慶大は先月31日、SFCにて総合政策学部・環境情報学部・看護医療学部を対象としたオープンキャンパスを開催した。
総合政策学部・環境情報学部では両学部長による講演のほか、模擬授業や卒業生と教員が語り合う卒業生セッションなど、さまざまな取り組みがなされた。学生ステージも設けられ、在学生を交えた座談会では受験生や保護者からの質問に学生が答えていた。
看護医療学部では学部説明や模擬授業に加え、AEDを用いた心肺蘇生法の実演や、実際に聴診などを体験できるプログラムが組まれた。
また、27日には芝共立で薬学部を対象としたオープンキャンパス、31日には信濃町でも医学部を対象としたオープンキャンパスがそれぞれ開催され、多くの来場者でにぎわった。

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オープンキャンパスのほかにも慶大が高校生向けに行う取り組みがある。講義入門と地方出身者対象大学説明会だ。
数千人規模の来場者が訪れ、気軽に大学の雰囲気に触れられるオープンキャンパスに対し、学問に対する意欲や関心が高い層に対象を絞ったのが講義入門である。今月4日に三田で開催され、慶大の教授が高校生に模擬授業を行う中で、自分で考え、行動し、解決策を作り出すという「独立自尊」の精神を伝えている。
入学センター部長の高野泰彦氏は、「実際に慶應の学問に触れることで具体的なイメージを持ってもらい、入学意欲につなげるのが目的である」と語る。
今月3日に三田で開催された地方出身者対象大学説明会は、近年の大学受験者が国立大を志望する傾向がある中、昨年度から始まった取り組みの1つである。この説明会では、各種の奨学金制度や学生寮などの経済面での学生支援を広報しており、さらに「独立自尊」や「半学半教」といった慶應義塾の建学の精神を紹介することで、国立大との差異化を図っている。
慶大は、地方から学生を集める試みに力を入れており、具体的には今春より開設された元住吉宿舎をはじめとする学生寮の拡充や、地方出身者のみを対象とした奨学金の創設などを打ち出した。
また、最近では地方に直接出向いて説明会を行うこともあるという。慶大は東大主催の「主要大学説明会」に参加しており、先月28日には札幌会場に出展した。国立大志向の参加者がほとんどを占めるこの説明会では、慶大の魅力をどう伝えるかが問題となる。
高野氏は「国立大が国を支える骨となる人材を育成するなら、慶應は社会を動かす肉となる人材を送り出す使命を担う」と述べ、地方出身の学生について「地方から来た学生が卒業後に地元に戻り、地域に貢献することを後押ししなくてはならない」と語った。