日本をけん引するエリート育成
経済学部は経済学を専攻とする学部としては日本で最初の明治23年に開設され、長い歴史を持つ。著名なOBとして、元首相の小泉純一郎氏やジャーナリストの池上彰氏が挙げられる。経済界にとどまらず、様々な業界に優秀な人材を送り込こんでいるのが、この経済学部だ。
まず1、2年生は日吉で専門教育基礎科目としてマクロ経済学、ミクロ経済学、経済史、統計学などを学習する。文系学部ではあるが、数学を使う科目が多いのが特徴だ。他学部同様、第二外国語や一般教養科目の履修も義務付けられている。日吉のカリキュラムについて、経済学部に通う2年生は「必修が多く大変。マルクス経済学(選択必修)は個性的な教授が多く、面白い」と話す。学部の雰囲気は、「男子の比率が高いため、男子校のようなノリがある」と話す。
3、4年生は三田で専門教育基本科目として国際貿易論、労働経済論などの発展的科目を扱う。3年生から入るゼミでは三田祭論文や卒業論文制作に向け活動する。ゼミの分野は財政社会学、労働経済学、経済史など多岐にわたる。 就職先は銀行、証券会社などの金融系が多く、その他は公認会計士を多く輩出していることもあり、監査法人が目立つ。
また、経済学部独自のシステムとしてダブル・ディグリープログラムという留学制度がある。経済学部在学中に2年間パリ政治学院に留学し、両校の修了要件を満たせば、2つの学位を取得することができる。そのほかにも早大や東工大と単位互換を行っており、移動が大変ではあるが、履修は可能である。この一貫したシステムと恵まれた環境こそ経済学部の強みだ。     (矢野将行)