「実学の精神」とリーダー輩出
商学部は主に商学系統を専攻する学部として慶大創設から100年目の昭和32年に開設された。この学部では福澤諭吉が示す「実学の精神」が教育や研究の理念に象徴されている。さらに社会をけん引する新たなリーダーを輩出することを目標としている。
1、2年では、商学の基礎となる商業学、経済学、簿記、統計学などを学習する。経済学部と同様に文系学部であるが、数学系統の科目が必修となっている。また、第二外国語の履修も義務付けられ、英語はTOEICの得点によってクラス分けがなされる。日吉では必修科目が1年生に集中しているため、2年生では比較的自由に科目を選択できる。其原修平さん(商2)は「商学系統の学習に限定せずいろいろな分野から社会の物事について学ぶことができる」と述べた。
3、4年生は三田でゼミを重視し、商業学や会計学などの専攻選択科目を学習する。ゼミでは商学系のマーケティングや会計だけでなく経済学の研究も存在し、三田祭論文や卒業論文に向け学習している。その他の特色として、商学部には公認会計士や税理士を目指す学生が多くいることが挙げられる。そういった学生を支援するための施設として会計研究室が設置されている。
就職は金融・保険や製造業が多かったが、近年では情報産業やマスコミ、官公庁への就職が増加している。
商学や経済学だけに限定せず、数学や化学などの理系学まで広く深く学ぶことができることは、商学部特有といえる。     (坪崎駿悟)