慶應義塾は、11月9日、横浜市青葉区、東急田園都市線の江田駅から徒歩5〜10分のあざみ野南3丁目及び荏田北1丁目の市が保有する約5ヘクタールの土地に小中一貫校を2011年4月をめどに開校を目指すことを明らかにした。小中一貫校は慶應義塾では初で、小学校としては幼稚舎についで2校目、中学校としては4校目となる。

(名倉亥佐央)

 学校設立にあたり義塾は、横浜市青葉区学校指定用地の活用事業者公募に今年7月26日に申請を行い、11月上旬に横浜市から事業予定者として採択されたとの通知を受けた。

 申請した学校は男女共学で、生徒数は1学年144人、全校で1296人である。慶應義塾は創立150年記念事業の中で、教育・研究・医療・社会貢献について国際レベルでの質の向上を図るとともに、「独立して生きる力」と「協力して生きる力」を兼ね備えた人間を育むさまざまな事業を展開している。今回の小中一貫校の新設も、その一貫として展開される。

 教育理念としては、義塾を創設した福澤諭吉の教育理念を基礎に、感動教育、国際体験などを取り入れ、グローバル時代の複雑な社会を先導できる人材の育成を目指している。

 新教育組織創造支援室は「小中一貫という形式は初めてであり、慶應義塾の新しいチャレンジである。慶應義塾の一貫教育には、1つの小学校、3つの中学校、5つの高等学校がある。それぞれの学校は、等しく福澤先生の教育理念を受け継ぎながら、それぞれの歴史、規模や所在地に応じて異なる性格を持ち、独自のカリキュラムを行っている。それと同じように新しい小中一貫校も新たな個性を発揮し、独立と協生の心を持ち、自分で問題を発見し解決できる人材の育成の、新たな源流になるだろう」とコメントしている。