慶應塾生新聞会 三田オフィス
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過剰なダイエットが引き金に 死を招く拒食症の実態

夏が近づき、キャンパス内でも薄着の人が増えてきた。この季節になると、多くの女性がダイエットを意識し始めるのではないか。しかし、過剰なダイエットは、命に関わる重大な病気、拒食症を引き起こすことがある。慶大保健管理センターの糸川麻莉氏は、拒食症の恐ろしさを「死を招く可能性がある病気」だと指摘する。
拒食症とは摂食障害の一種であり、別名を「思春期やせ病」という。その名の通り、体が作られていく思春期に体重が減少する病気だ。無理な食事制限や運動で、体重を減らすことに固執することが拒食症の症状として挙げられる。生活するのに最低限必要なエネルギーを摂らないでいると、次第に発育不全や月経不順などのさまざまな不調が現れてくる。しかし、ダイエット中はエンドルフィンという脳内麻薬が分泌されるため、不調が苦痛ではなくなるのだという。こうしてダイエットがエスカレートしていくと、不調は本人でも気付かないうちに悪化し、内臓障害を引き起こす。糸川氏は「心臓が弱まると、脈が遅くなる。その状態で運動をすると、心不全や不整脈で死に至ることもある」と話す。
拒食症に陥る原因は、ほとんどが過剰なダイエットだ。だが、そのきっかけは母親との関係や過去の性被害など、精神面と深く関わっていることが多い。複雑な病気であるため、治療法にマニュアルのようなものはなく、周りの人たちの手助けが必要になってくる。「周りの人が気付き、腰を据えて病気の治療に取り組むことが大切だ」と糸川氏は述べる。
痩せたモデルや芸能人をメディアで常に目にしている現代においては、自分の体型を客観的に見ることは難しい。だが、過剰なダイエットは死を招く危険もあることを念頭に置き、本当に自分が痩せる必要があるのかをダイエットを始める前に考えてみなくてはならないだろう。 (小松美穂)