慶應塾生新聞会 三田オフィス
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走り続ける塾生 「あおものくんの育て方」著者 文学部4年澤田直子さん 

慶大には、教授だけでなくさまざまな方面で活躍する学生も在学している。昨年「あおものくんの育て方(講談社)」を出版した澤田直子さん(文4)もその中の一人である。
出版などに関心をもっていたこともあり「PICASO~東大早慶ベストセラー出版会~」という、商業出版を行う学生団体に所属している。別の一面として、小さな頃から親の影響で家庭菜園にも興味を持っていた澤田さん。PICASOの活動の中で、「自分の大好きな家庭菜園の楽しさをもっと幅広い世代の人にを知ってほしい」という気持ちから家庭菜園の本を出してみようとしたことが出版のきっかけとなった。
商業出版ということもあり、利益が出る見込みがある内容のものでないと出版社も取り合ってくれないため、企画の段階で数々の試行錯誤を重ねた。その結果「絵本風の園芸本」という独自性を推しだすことで、出版社に企画を受け入れてもらうことに成功した。
文章だけではなく、絵本の中のイラストも自分で仕上げていくことになった澤田さん。もともと美大志望であったため画力はあったものの、イラスト数の多さからすべてが完成するまでには8カ月近くもの長い時間を要した。出版後も、売上を出すために自分たちで販促活動を行うなど忙しい毎日が続いたそうだ。

挑戦していく気持ちを大切に
一冊の本を作る過程の中でも多くの苦難を乗り越えてきた。その中で「昔は自分のやりたいことをそのまま進めようとしていたが、実際すべてが自分のやりたいように進められるわけではないと実感した」と話す澤田さん。この経験から日常生活の中で「相手の求めていることは何なのか」ということを考えるようになったと言う。例えば、大学の課題においても、教授がこの課題で自分たちに求めていることは何なのかを気にするようになった。そのことから、相手の要求に応えるために自分は何をすればいいのかを考える習慣が身についたと語った。
澤田さんはPICASO以外にも出版甲子園実行委員会や東大の先端科学技術研究所のスタッフなど、さまざまな場所で活動を広げていた。その理由についても「今ある立場に満足するのではなく、いろいろなことに挑戦していく気持ちを大切にしたかったから」と話す。大学4年間に多くの経験を積み重ねていく中で、自分にどれだけの付加価値をつけることができるのか。自分磨きの重要性を、今頑張っている就職活動の中でさらに実感したと言う。
「出版活動を通じて人に物事を伝える面白さを改めて感じた。これを仕事に生かせたら」と語る澤田さん。自分の夢に向かって今日も彼女は走り続ける。
(小林知弘)