投手陣の台頭と得点力が鍵
慶大は平成23年春季リーグ以来、34回目の優勝を目指し4月13日の立大戦から約6週間の戦いに挑む。2季連続で3位に終わっている慶大の今季の展望を攻撃陣と投手陣の両面から見ていきたい。
まずは攻撃陣。昨年秋は特に苦しみ、チーム打率は0・219(リーグ5位)で1試合あたりの平均得点も3・77(同4位)であった。昨春のチーム打率0・252、平均得点4・17と比較しても大きく落ち込んだのがわかる。だが、出塁率に関しては0・343と、優勝した法大とほぼ同等の数字を残しているため、慶大打線の出塁能力は比較的高いといえる。チーム打率さえ昨年の春水準に戻れば出塁率と平均得点が六大学中1位の早大をも凌ぐだけの力は秘めているだろう。その打線の切り込み隊長として期待したいのが、秋に自身初のベストナインに選出された佐藤旭(商3)だ。昨年秋にレギュラーの座をつかむと全試合1番で先発出場し、チームトップの打率0・273、出塁率は驚異の0・418を記録。今季も不動の1番としてチャンスメイクしてほしいところ。また谷田(商2)、横尾(総2)の2人にも注目。両者ともに大学野球1年目は低打率に苦しんだが、春秋通じて放ったヒットの約半分が長打と前評判通りのパワーを発揮した。限られた出場機会の中で結果を残した植田(商4)や新主将の堀野(理4)の活躍にも期待だ。
一方の投手陣はというと昨秋にチーム防御率2・69と好成績を収めたが、春から福谷や竹内大が抜けるため従来の主力は白村(商4)のみとなる。秋季リーグの白村に関しては防御率2・45、47回2/3を投げてリーグトップの51奪三振と文句なしの内容。だが彼に続く2番手、3番手の登場が望まれる。その候補として秋は登板ゼロに終わったが最速150キロの速球が武器の山形(政4)、すでにリーグ戦1勝を挙げている加嶋(商2)、秋2試合に登板した山田(環4)を挙げたい。他にも2季連続で新人戦先発を務めた瀧本(商3)や140キロ台の速球とスライダー、スプリットが持ち味の明(政3)、投球の完成度が高い左腕三宮(商2)といったリーグ戦で登板経験がない投手たちの台頭にも注目だ。
投打が上手くかみ合えば優勝も狙えるだけのチームではあるが一筋縄では行かないことは昨年のチームが証明済み。苦しい戦いの中でいかに勝ちを引き寄せられるかがポイントとなる。※数値は弊紙計算 (上井颯斗)