「走り続ける塾生」特集 中嶋俊文さん(政1)

空手で世界ジュニアチャンピオンに

日本が世界に誇る武道、空手道。慶應義塾体育会空手部には、その「お家芸」で日本を代表して世界と戦う選手がいる。中嶋俊文選手(政1)だ。これまで全国中学空手道選手権など数々の大きな大会で優勝。昨年のジュニア選手権で世界の頂点を極めるなど、華々しい戦績の持ち主だ。今年も形(かた)の日本代表に選ばれている。

形とは技を一つずつ決められた順序で演武する種目だ。素人目に分かるような、ただスピードが速かったり力強かったりするだけの演武では勝てない世界。「素人が圧倒されるような技がすべて高度というわけではない。たとえ地味でも精進している人にしか分からない技の深さがある」と中島選手は語る。その奥深さが空手の魅力だと考えているそうだ。

演武中は独りの戦いとなり緊張を強いられる場面だが、始まる前まで緊張していても、本番は自然と集中できるのだという。「緊張状態のまま臨んだ方がいい結果につながる」。特に重圧のかかる世界大会でも「家元の日本代表として絶対負けられないプレッシャーはあるが、日本の大会とは違い、観客が盛り上がってくれるので楽しめる」と楽しむ姿勢を忘れない。

自身の強みは、技の「スピードとキレ」。父と姉の影響で小学1年生から空手の道を邁進してきた。しかし「空手の技には一つひとつ意味があるが、まだ自分は理解せずに演じている部分がある。もっと意味を勉強して奥深いところまで突き進みたい」とさらなる高みを目指し続ける。

地道な努力を楽しみ世界へ

日々の練習で大切にしているのは「自分の頭で考えること」だという。例えば、ビデオに自分の形を撮り、自身の力で改善点を見つけて技を深める。「大きな目標に向かって努力を積み重ねていく。この過程が楽しい」そうだ。また、その「努力」を一人で工夫をこらしながらできるようになったことが空手を通じて得たものの一つだという。

形を得意としながら、意外にも好きな練習メニューは組手だと話す中嶋選手。「得意な形だけではなく組手でも部を引っ張っていけるような存在になりたい」。ほとんど休みなしで空手中心の生活を送っているが、学業にも力を抜かず取り組んでいるそうだ。

これから先も文武両道で、日の丸を背負って戦い続ける中嶋選手。強い信念を胸に、自身の手でさらなる飛躍を遂げてくれるに違いない。        (鈴木悠希子)


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